大敬先生のワンデイ・メッセージをご紹介します。
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立花大敬青空ひろば
(前回の続き)
(4)万法に証せらるゝといふは、自己の身心および他己(たこ)の身心をして脱落(とつらく)せしむるなり)
さて、そのようにして自分が合格出来たとして、それは自分の力だけで合格できたのではありません。世界全体が自分の合格のため働いてくれ、協力し、後押しして下さって合格できたんだと気づいたとき、その人ははじめて自他の別なんて本当はなかったんだ。本当はいのちはひとつしかなくて、だからこそ、自分のために世界が動いてくれ、いつかまた自分は世界のために動くことになるんだと気づくのです。
それが、『自己の身心および他己の身心をして脱落せしむるなり』です。
自他や世界のモノゴトを分けていた仕切りが脱落して、生き通しのひとつのいのちとなるのです。
ここで、自己・他己と、自にも他にも己(おのれ)を付けておられるところにも注目して下さい。自と現れ、他と現れていても、みんな自分なのです。
さて、以上が解釈の一端です。自我性を超えた時、なぜその人の最高の力が発揮できるようになるのかというあたりの研究は、トランスパーソナル心理学という分野で研究されています。アブラハム・マズロー、ケン・ウィルバー、ロベルト・アサジオリなどが有名です。
また、附設高校の図書館には「正法眼蔵」の全巻を解説した全集があります。これは五代目の校長、原巳冬(みとう)先生の寄贈で、原校長は禅をやっておられて、私の師匠であった、内山興正老師とはお友達で、私が修行していた京都の道場へもよくおいでになって坐禅しておられたそうです。この学校に赴任してから、そのことを知って、奇しき因縁に驚きました。