最近手に入れた台湾人作家の本。

毎日楽しく読み進めています。

 

 

*『リングサイド』(小学館)

作・林育德 訳・三浦裕子

 

『リングサイド』の表紙は躍動感があるけれども、内容もワクワクが溢れるものになっています。

タイトル通り、プロレスを軸とした10篇の物語。

ちなみに、私のプロレス観戦デビューは、大学時代。

プロレス好きの友人に誘われ、FMWの有刺鉄線有刺鉄線デスマッチを後楽園に見に行きました。

プロレスがどんなものかまだよく理解していないうちに、大仁田厚が観客席に乱入してきて、

パイプ椅子を奪われた……。凄かった。キャーキャー言いながら逃げ回ったっけ。

そんな1990年代を思い出しながら、今の台湾を重ねて読み進めています!

 

 

*『次の夜明けに』(書肆侃侃房)

作・徐嘉澤 訳・三須祐介

 

日本統治時代……二・二八事件……美麗島事件……野イチゴ学生運動……。

民主、同性婚、外国人労働者、環境破壊……。

親子3代にわたる物語の中には、個人的に興味のある台湾史がこれでもか、と登場してくる。

重くなりがちな内容だけれども、あくまでも軽やかなテンポで読み進められるのは、

作者による筆力によるところが大きいと思います。

 

 

*『台湾 あるいは孤立無縁の島の思想』(みすず書房)

作・呉叡人 訳・駒込武

 

台湾の思想研究家で、アイデンティティ問題などで積極的に発言されている、

中央研究院台湾史研究所・呉叡人先生の書かれた作品。

先生には、私の家族について色々と調べていた際に、とてもお世話になりました。

母語と言っても遜色ないくらいに日本語がお上手で、ユーモアたっぷりの先生の、

30年来の研究をまとめたもの。

一気に読むには、深すぎて、何度も反芻しながら、理解していきたい一冊です。