今年の秋は、たくさんの木のタネを採った。

といっても、まだまだ種類は少ない。

ケヤキ、コバノガマズミ、ヤブムラサキ、アカガシ、モミ、ナツハゼ、シロダモ、クロモジ、チャノキ、イロハモミジ、イヌシデ、ウツギ、エゴノキ、シバグリ。

そんなタネたちを育苗箱にばら撒きしたり、スリット入りのポットにまいたりして、いま春を待っている。


どれくらい発芽するのか。

そして、発芽した苗を二年間ちゃんと育てられるのか。

正直、未知数だ。

だけど、この未知こそが楽しみでもある。




世界的には、人口増加から農地が広がり、森が減っていく。

気候変動が進み、プランテーションでは大量生産の陰で土壌汚染や現地の人たちの健康被害が深刻だと耳にする。


では、自分のまわり、日本の森はどうだろう。


人間の都合で森はコンクリートで固められ、使いやすい木だけが植えられ、気づけば放置された森が日本各地にある。

まずは、安全な森を、そして「1000年後の人に恥じない森」を取り戻していかないといけない。


「自然なんてほったらかしでええんちゃうの?」

そんな声があるのも事実だ。


でも実際には鹿が増えすぎ、小さな芽や若木が食べ尽くされ、森の表面から植物が消えていく。

植物が消えれば土は流れ、森はますます弱る。

「鹿も増えすぎると絶滅に向かう」と言われるが、それはいつになるのか。

今の世代でテコ入れする必要があると、僕は思う。





そこで、僕からの提案



夫婦で植林、子ども同伴企画。


まず、秋に山に入り、たくさんの木のタネを集める。

次に水で果肉を取り、きれいなタネにする。

その後、

赤土(赤玉)1 : モミ殻 1 : ピートモス 1

の配合で作った種まき用土にタネをまく。

ポットでも、プランターでもいい。

基本は、菌の少ない土を選ぶといい。


それから家庭で育てたり、おじいちゃんおばあちゃんに水やりをお願いしたりしながら、二年間、大事に育てていく。

植える場所は、これからみんなで探す。




でも、ここからがいちばん大事。


森にただ木を植えるだけでは育たない。

「植える場所づくり」が必要だ。


お父さんは植える場所をつくる。

お母さんは、お昼におむすびを握る。

お父さんが整えた場所に、お母さんがそっと苗を植える。

そこに子どもも一緒に未来の話をする。


小さな家族の循環が、そのまま森の循環にもつながっていく。


男のたくましさにお母さんは感激し、

お母さんの結ぶおにぎりに、お父さんは涙するかもしれない。


そんな時間が育まれたら、夫婦の中の循環もきっと豊かになる。

楽しい未来しか想像できない。

考えているだけでワクワクしてくるし、実現したらきっと感動するだろう。