暑さや寒さが厳しくなってくると、「エアコンをつけているのに、なんだか家の中が快適にならない……」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
「昔の家だから仕方ないのかな」と諦める前に、まずはおうちの築年数(建てられた年)を思い出してみてください。
実は、日本の住宅における「断熱材の歴史」を知ることで、なぜ我が家が暑いのか(寒いのか)という理由がはっきりと見えてきます。
築年数でこんなに違う! 日本の「省エネ基準」の歴史
住宅に「断熱(省エネ)」という考え方が定着し始めたのは、1970年代のオイルショックがきっかけでした。その後、国の省エネ基準は次のように変化しています。
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1980年(昭和55年基準):初めて作られた省エネ基準。壁の断熱材(一般的なグラスウール)の厚みはわずか25mm程度(無断熱の家も多かった時代です)。
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1992年(平成4年・新省エネ基準):壁の断熱材は35mm程度。
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1998年(平成11年・次世代省エネ基準):ここでようやく、壁85mm、天井155mm程度へと大きく向上。
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2013年・2016年〜現在:断熱材の厚みだけでなく、日射の遮り方や全体のエネルギー消費量まで総合的に評価される時代に。
私自身、リフォームのご相談で当時の建物の壁を解体させていただく機会が多くありますが、1990年代前半より前の建物では、壁の中にわずか数センチの薄い断熱材しか入っていないケースがほとんどです。
断熱材が薄い(または入っていない)ということは、例えるなら「極寒の冬や猛暑の夏に、ダウンコートではなく薄手の上着やTシャツ1枚で外に立っている」ようなもの。これでは、外の暑さや寒さがダイレクトに室内に伝わってしまうのも無理はありません。
実は一番の抜け穴! 鍵を握るのは「窓」
「じゃあ、壁に断熱材を詰め込めば解決するの?」と思われるかもしれませんが、もう一つ、絶対に忘れてはならない非常に大切な場所があります。
それが【窓(サッシ)】です。
おうちの中で、最も熱が出入りする場所は圧倒的に「窓」です。 建物の構造や環境にもよりますが、壁や天井に比べて、窓からは約3倍〜6倍もの熱が逃げたり侵入したりすると言われています。
どれだけ壁を厚くしても、窓が昔ながらの「単板ガラス(一枚ガラス)+アルミサッシ」のままだと、そこからどんどん熱気が入り込み、冷気が逃げていってしまうのです。
戸建て住宅の暑さ・寒さ対策としては、壁や床の断熱改修とセットで、「二重窓(内窓)をつける」「ペアガラスや断熱サッシに交換する」「障子やシェードを活用する」といった窓まわりの工夫が非常に効果的です。
マンションの場合は「ルール」に合わせた工夫を
「うちは分譲マンションだから、自由に断熱リフォームできるでしょ?」と思われがちですが、ここにも注意が必要です。
マンションの場合、壁のコンクリート躯体や窓サッシ、ベニヤ板の裏の断熱材などは「共有部分」にあたるため、個人で勝手に取り壊したり交換したりすることは規約で禁止されていることがほとんどです。
ですが、諦める必要はありません! マンションの場合は以下のような現実的で効果の高い対策が可能です。
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内窓(二重窓)の設置:専有部分である室内に内窓を取り付ける(※マンション規約の範囲内で施工可能)
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窓・玄関対策:ベランダ側にすだれやシェードを垂らして日射を遮る/玄関と居室の間に間仕切り(カーテンや扉)を設ける
特に、上下左右を他のお部屋に囲まれている中住戸のマンションであれば、外気に接している「窓側」と「玄関側」の対策をしっかり行うだけでも、見違えるように室内環境が快適になります。
最後に
我が家の断熱性能を知ることは、快適で健康的な暮らしへの第一歩です。
無理な大工事をしなくても、お住まいの状況(戸建てかマンションか、築年数はいくつか)に合わせた適切なアプローチをとることで、住まいの心地よさは劇的に変わります。
「うちの築年数だとどんな対策が効果的?」「今の家を、身体に優しく暖かい空間に変えたい」という方は、ぜひ一度「ひと・すまい・くらし」までお気軽にご相談くださいね。
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