2012年08月20日
1、2回戦で計41三振を奪取した桐光学園の左腕・松井の見事な変わり身だった。
鈴木拓の先頭打者本塁打で先取点をもらい、「気持ち良く入れた」という一回のマウンド。いきなり先頭の東江にスライダーを中前へ運ばれた。盗塁に失策も絡んだ2死三塁のピンチは切り抜けたが、初戦から続いていた毎回奪三振は途切れた。
両足を動かさないノーストライド打法で球を見極める浦添商の打者から、そうそう三振は取れない。ならば「打たせて取ろうと切り替えた」と松井。ストライク先行をまず心掛け、決め球の「力の入れ方を加減する」。早々の決断だった。
初めて三振を取りに行ったのが三回2死三塁。「真っすぐを狙った」という宮里に対し、142キロを空振りさせた後、縦に大きく曲がるスライダー、右打者の内角低めに切り込むスライダーで、立て続けに空を切らせた。
四~七回は3者凡退。真っすぐの球速を落としてタイミングをずらすなど、技巧派を装っていた松井がひょう変したのは八回だ。先頭の照屋に本塁打を浴びて「悔しさをぶつけた」。大きく胸を反らして腕を振り、半ば封印していた140キロ台後半の速球を連発。3連続三振で奪三振記録保持者の顔を取り戻した。この試合で奪った三振は12個だった。
2年生エースが、疲れの出る3戦目を硬軟自在の投球で乗り切れたのも、捕手・宇川の丁寧な配球に、水海のソロ、鈴木拓の2点三塁打と、野手の手厚い援護があればこそ。全員野球が、鮮やかな「変貌」を実現させた。