毎日新聞 2012年08月09日 13時06分(最終更新 08月09日 19時40分)
第94回全国高校野球選手権大会2日目の9日は1回戦4試合。第2試合は岩手県大会で好投手・大谷を擁する花巻東を破り、甲子園初勝利を狙う盛岡大付(岩手)と、3年ぶり出場の立正大淞南(島根)の顔合わせ。大会初の延長戦となり、延長十二回、立正大淞南が5-4で粘り勝ち。
○立正大淞南5-4盛岡大付●
立正大淞南が乱打戦を制した。八回、椀田の右越えソロ本塁打で1点を勝ち越し。九回に同点とされたが、延長十二回1死二塁、川崎の右翼線適時三塁打で試合を決めた。投げては左腕・山下が13安打を浴びながらも球を丁寧に低めに集め4失点完投。盛岡大付は3失策と守備が乱れ、打線も3併殺打でつながりを欠いた。
▽立正大淞南・太田充監督 ヒットを打たれるのは覚悟していたので外野を下げて長打を避けた。山下は走者を出してから粘り強く低めに投げた。
▽盛岡大付・関口清治監督 出口は球が浮いたところを痛打されたが、あと一歩のところでよく抑えた。そのおかげでどんどん追いつくことができた。
◇「イメージ通りの戦い」…立正大淞南・川崎
延長十二回1死二塁。立正大淞南の川崎は、内角に甘く入った直球を見逃さなかった。痛烈なライナーで右翼線を破る決勝の適時三塁打を放ち、「前の打席までは低めの変化球を振らされていたので、ベルト付近を待っていた」と満足そうに振り返った。
打線は序盤、盛岡大付の左腕・出口の球威ある高めの直球と低めの変化球にてこずった。だが、きっちり修正する選手の適応力の高さが、粘りの攻撃に結びついた。
八回には前の打席で高めのボール球に手を出して二飛に打ち取られた椀田が、釣り球を見極めた上で甘くきた直球を右翼席に運んだ。太田監督は「打撃については指示を出す前に選手同士で『この球は打たないようにしよう』と確認していた」と頼もしげに語る。
安打数では強力打線の盛岡大付を下回ったが、川崎は「島根大会も苦しい戦いが多く、厳しいとは思わなかった。イメージ通りの戦い」。得意の接戦をものにし、胸を張った。
○…盛岡大付の粘りは実らなかった。盛岡大会で「160キロ」をマークした花巻東の剛腕・大谷を打ち崩した強打は相手を上回る13安打に示されたが、ここ一番でつながらない。4番・二橋が「低めに手を出し、打ち急いでしまった」と言えば、主将の藤田は「甲子園の重圧だったのかも」。守りでも失策が三つあり、攻守がかみ合わなかった。「守りのミスをカバーする打撃をつくってきたつもりだった」と話した関口監督は、遠のいた甲子園初勝利に「試練です」とうつむいた。