2012年08月21日

 九回、得意のスライダーに最後の打者のバットが空を切る。「よっしゃあ」。マウンドで雄たけびを上げた。

終盤まで0点が続く緊迫した投手戦。今大会随一の注目の2年生左腕、松井裕樹投手を相手に「負けたくない」の一心で、最後の1球まで気迫を込めた。

 完投・完封ともに春の県大会準決勝以来。試合前、「総力戦で行く」の仲井宗基監督の言葉に、「自分一人で投げ切る」と決意を固めた。「弱さを見せるとやられる」と、最初から飛ばして行った。

 神村学園(鹿児島)との3回戦では暑さで体力を奪われ、後半にばてて完投を逃した。これを教訓にと、準々決勝前日の練習では、炎天下に40分間走り込む独自メニューで体を慣らした。

 五回、自らの暴投を機に走者を三塁に背負った。右足の血豆がつぶれて、うまく踏ん張りがきかなかったが、「田村(龍弘選手)たちが打つまでは、絶対に点を取らせない」とカーブで三振を奪い、窮地をしのいだ。終盤には変化球が狙われていると判断、決め球に使っていた横のスライダーを縦のスライダーに変えて相手打線を惑わせるなど、終始落ち着いた投球を見せた。

 「気迫の投球で地元に笑顔を与えたい」。八戸市出身の背番号1は甲子園で一回り大きくなった。