毎日新聞 2012年07月29日 地方版

 第94回全国高校野球選手権神奈川大会(県高野連、朝日新聞社主催)は28日、準決勝2試合が横浜スタジアムで行われた。昨夏準優勝の桐光学園は平塚学園の猛追を振り切り、5-3で降した。昨夏ベスト4の桐蔭学園は序盤から集中打で主導権を握り、10-0で日大藤沢にコールド勝ちした。決勝は横浜スタジアムで29日午後1時から。桐光学園は5年ぶり4回目、桐蔭学園は13年ぶり7回目の優勝をかけて戦う。

 ▽準決勝=第1試合

平塚学園 010000020=3

桐光学園 22000001×=5

 ◇平塚、猛追届かず

 桐光学園が平塚学園の猛追を振り切った。初回、坂本の適時打などで2点を先制。二回は宇川の適時三塁打で2点を追加し、1点差に迫られた八回は中野の適時内野安打で1点を加え、再び突き放した。先発の松井は要所を締め完投。平塚は八回に押し出し四球などで2点を挙げるなど追い上げたが、序盤の失点が響いた。

 ◇八回追加点で楽に

 〇…「なんとか食らい付こう」。1点差で迎えた八回裏1死満塁で、桐光学園の9番・中野速人選手(2年)が打席に立った。3球目、外角低めのチェンジアップでタイミングを外されたが、右手1本でバットを伸ばした。打球は三塁手の頭をふわりと越え、追う平塚学園を突き放す適時内野安打に。松井裕樹投手(2年)は「あれで楽になった」と、最終回は3者凡退で締めくくった。「9番に打たれると相手投手は苦しいはず」と中野選手。決勝も貪欲に得点を狙うつもりだ。

 ▽同=第2試合

日大藤沢 00000=0

桐蔭学園 00514=10

 (五回コールド)

 ◇日大藤沢、打線沈黙

 桐蔭学園が15安打の猛攻で大勝した。三回、森川の本塁打や斉藤の三塁打など9人を送り込む猛攻で一挙5点、6点リードの五回には菊池が満塁本塁打を放ちコールド勝ちを決めた。先発の斉藤は4回を1安打無失点、2番手の檀上も1回を零封した。日大藤沢は先発の池田が球威、制球ともに本調子でなく、打線も援護できなかった。

 ◇3連続バント安打

 ○…桐蔭学園が大技に小技を絡め、鮮やかに試合を決めた。五回、嵩真旺選手(3年)ら3人が連続でバント安打を決め満塁にしたところで、菊池新大選手(3年)が右翼席に本塁打を放ち、この回でコールドに。土屋恵三郎監督は「あれがうちの野球。よく球の勢いを殺してバントした」と満足げ。嵩選手は「決勝の桐光学園の松井裕樹投手から点を取るのは難しいので、機動力を使いたい」と、大会屈指の左腕も足で揺さぶるつもりだ。

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 ■白球譜

 ◇来年にリベンジ--平塚学園(2年)熊谷拓也投手

 立ち上がりで制球がままならず、二回までに4失点。三回以降は、本来のテンポの良い投球を取り戻し、強豪・桐光学園の打線に狙いを定めさせなかったが、チームは敗れ、今夏は甲子園の夢を果たせなかった。「3年生ともっと一緒に野球をしたかった。悔しい」。試合後、涙が止まらなかった。

 最速140キロの直球にシンカーなど変化球を組み合わせ、打たせて取る投球が持ち味。今大会は登板した5試合をすべて完投し、自責点も計9と抜群の安定感を見せ、10年ぶりの準決勝進出に大きく貢献した。

 支えになったのは、「お兄ちゃんみたいな存在」と慕ってきた1学年上の先輩たちだ。エースナンバーを付けた昨秋からは「先輩を勝たせたい」と練習に打ち込み、冬場は大磯の砂浜を走り込んで下半身の強化に取り組んだ。

 小道幸太捕手(3年)は「『最後の夏』の自分たちと同じぐらいの気持ちを込めて練習し、精神的にも成長した。来年こそ甲子園に出場してほしい」と、果たせなかった夢を後輩に託す。

 その思いは伝わっているようだ。「もう絶対、一度も負けたくない。来年は桐光にリベンジします」。試合後、力強い口調で来夏の雪辱を誓った。

 ◇完敗でも達成感--日大藤沢(3年)池田建人投手

 五回裏、桐蔭学園の3者連続セーフティーバントで1死満塁のピンチに立たされた。絶妙な位置に転がされ、ファウルにしようと見逃した打球は切れない。「こういう形でピンチを迎えたことはなかった」。それでも動揺することなく桐蔭学園の菊池新大選手を打席に迎えたが、やや内側に甘く入った2球目のスライダーを狙われた。

 打球は無情にも右翼席まで放物線を描き、4人の選手がダイヤモンドを駆け抜ける。「これで終わりか」。満塁弾で、五回コールド負け。球場が大歓声に包まれる中、マウンド上でぼうぜんと立ち尽くした。

 今大会は直球を軸に、スクリューやスプリットを交え抜群の制球力を見せてきた。準々決勝まで43イニングを投げ、与えた四死球はわずか5。春季県大会地区予選敗退で今夏はノーシードから出発したチームが、武相や横浜隼人など強豪校を次々と破り、14年ぶりの4強入りを果たすけん引役となった。

 願わくは九回まで投げたかった。桐蔭学園が校歌を歌い終わると、グラウンドに崩れ落ち、仲間に抱えられながら球場を後にした。それでも「完敗でしたが、ここまでこられたことには胸を張りたい」と、達成感ものぞかせていた。将来の夢は「プロ野球選手」。甲子園への道は断たれたが、野球への情熱は失っていない。

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 ◆決勝展望

 ◇好調の桐光・松井投手、桐蔭打線が崩せるか

 桐光学園と桐蔭学園は昨夏の準決勝でも対戦し、5-4で桐光が勝利した。決勝は、今大会ナンバーワン投手の呼び声が高い桐光の主戦・松井裕樹投手(2年)を、桐蔭の強力打線が打ち崩せるかに注目が集まる。

 松井投手は準決勝で、連投の疲れからか制球を乱し、甘い球を痛打される場面が目立った。この試合も167球を投じており、疲労の蓄積が懸念材料だ。直球に威力がある山田将士投手(1年)も控えるが、経験不足は否めず、4回戦・相洋戦は三回途中3失点でマウンドを降りた。

 一方の桐蔭は6試合で78安打の猛打を誇る。準決勝は森川大樹(3年)、菊池新大(同)の両選手が本塁打を放ったほか、四つのバント安打に成功するなど機動力も発揮した。

 ただ、投手陣は絶対的なエースは不在で、横塚博亮(3年)、斉藤大将(2年)、檀上竜爾(3年)選手らの継投策が基本。鈴木拓夢選手(3年)ら好打者ぞろいの桐光打線を相手に、それぞれの投手が任されたイニングを最少失点に抑えることが求められる。

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 ◇両チームの投打成績

桐蔭学園    桐光学園

.390 打率 .353

 200 打数  167

  78 安打   59

  40 打点   35

   4 本塁打   2

      ◆

1.69 防御率 1.98

  48 回数    50

  33 被安打   28

  18 四死球   23

  36 奪三振   63

   9 自責点   11

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 ◇高校野球テレホンガイド

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