毎日新聞 2012年08月05日 地方版
◇「負けにくいチーム」目指し 精神力成長
学校向かいにある桑折町の野球部専用グラウンド。「不動心」--。こう書かれた大きな看板がバックネット上に掲げられている。長年、チーム作りの中心に据えてきた言葉だ。「勝ちたい」との意識では、逆境で硬くなる。粘り強く守ることで、「負けにくいチーム」を目指す。そんな思いが込められる。
今春、3回目の出場となるセンバツでは、1回戦で鳥羽(京都)と対戦し、2-0で念願だった初勝利を収めた。しかし、2回戦の横浜(神奈川)戦は序盤の失策絡みの失点で1-7と完敗した。「横浜は隙(すき)がないチーム。少しでも隙があっては全国制覇は難しい」(氏家颯俊主将)と痛感した。
岡野祐一郎投手はセンバツ後、阪神タイガースに入った昨年のエース歳内宏明投手の言葉を思い出した。「味方のエラーをカバーするのがエース」。エラーを引きずり踏ん張れなかった悔いが残り、忍耐力を課題にした。
春の県大会は4試合で27得点し優勝した。「打線の安定感は昨年より上。甲子園の悔しさを忘れていない」と斎藤智也監督も絶賛した。その後の東北大会。「夏への通過点」という意識で、ベストメンバーを温存するチームもあったが、聖光は真剣勝負。センバツ準優勝の光星学院(青森)、仙台育英(宮城)を破り、優勝した。
「夏だけ特別と思うと、いざ夏になったら『負けられない』と緊張する。常に“夏”という意識が大事だ」と斎藤監督。岡野投手は光星戦、本塁打で1失点したものの、ほぼ完璧に抑えた。「『やりきる』がテーマだった。強い気持ちで粘り、抑えたことが収穫だった」と振り返る。
夏の福島大会は、東北大会優勝の実績がプレッシャーに変わった。他校に分析され、勝ちが当たり前と見られた中での6連覇。斎藤監督は「技術より精神力が成長した。東北の旗を取り、夏の福島を制して初めて、『全国制覇』を口にできる」と自信を見せる。実績十分で迎える甲子園に、センバツの借りを返しに行く。
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第94回全国高校野球選手権福島大会を6年連続で制し、8日開幕する夏の甲子園に出場する聖光学院(伊達市)。県勢初の「全国制覇」を目標に掲げ、夢の舞台に立つ。センバツの敗戦から夏の福島大会を勝ち上がる軌跡を振り返る。