毎日新聞 2012年11月08日 地方版

 県高校野球連盟は7日、理事会を開き、福島第1原発事故の影響で部員が不足し、今秋まで連合チーム「相双福島」を組んでいた双葉、原町、相馬農の3校のうち、部員が9人の原町について、来春以降の公式戦は単独出場とする方針を決めた。今後の双葉と相馬農が連合を組むか分からず「相双福島」が解消される可能性もある。【深津誠】

 相双福島は、原発事故による特例措置で、昨秋から3校の選手11人の連合チームとして始まった。いわき市に間借りしている双葉が毎週末、南相馬市の原町に通い、長期休暇は合宿で練習を重ねてきた。相双地区大会を勝ち抜き、県大会に3回出場した。

 今春、原町には新入生が入部したため、3年生が抜けた今秋も9人となり、単独チームは作れた。だが、今秋は、選手らも「一緒にやってきて、心は一つのチームになれた」と連合の継続を希望し、認められた。

 現在、チームは原町9人▽双葉5人▽相馬農5人--の計19人。相双地区の小高工以外の4校は、原発事故などで部員が不足し、他の部活動から選手を借りるなど10人前後で続けている。このため、相双福島だけ特別扱いするのは難しいと判断した。

 来春には、部員数も変わるため、早期に方針を出す必要があった。理事会では「震災の直接的な影響を受けた今の2年生が引退するまで認めては」との意見もあった。だが、従来通りの「9人以上は単独で」との規定に沿った形にした。

 双葉は、福島第1原発に近いため新入部員に期待しにくい一方、相馬農は4人入部すると単独出場の可能性もある。今後、どのような形で相双福島を維持するのかは不透明だ。双葉の田中巨人監督は「理事会で選手や指導者の思いを伝えたかったので悔しい。選手が気持ちを維持できるか。転校を考える選手もいるのでは」と不安を語った。高野連の宗像治理事長は「選手の気持ちを考えると残念だが、来春には各校の人数も大きく変わる。苦渋の決断だった」と話した。