毎日新聞 2012年11月02日 地方版

 長崎市で開催中の第131回九州地区高校野球大会は1日、準決勝2試合があった。2年連続で準決勝に臨む県勢の創成館は、沖縄尚学(沖縄)と対戦。1-8で七回コールド負けを喫し、決勝進出はならなかった。だが、県大会ノーシードから勝ち上がっての九州4強。ここまで3試合連続完封など立派な戦いぶりに、スタンドからは温かい声援と拍手が送られた。

 ▽準決勝(県営)

沖縄尚学

  4100111=8

  0000010=1

創成館

 (七回コールド)

 (沖)比嘉、宇良-具志堅

 (創)大野、江口、立部-坂井

▽三塁打 知念(沖)

▽二塁打 坂井(創)平良(沖)

 打線は沖縄尚学のサウスポーエース、比嘉健一朗投手(2年)の前に五回2死まで無安打だった。六回1死一塁から4番、坂井陸選手(同)が左翼線に二塁打を放ち、二、三塁とチャンスを広げた。ここで比嘉投手の暴投で林健斗選手(同)が生還。意地の1点を挙げたが、反撃はここまでだった。

 「初回の4失点がすべて。選手の動きがガチガチだった」と稙田龍生監督が振り返るように初回、大野拓麻投手(同)が2連続四死球などでいきなり1死満塁のピンチ。ここで2本の適時打を浴びたうえ、中継プレーでの失策も絡み、一挙4点を失った。その後も沖縄尚学打線は犠打やセーフティースクイズを用いるなど攻撃の手を緩めなかった。

 木下敦紀主将(同)は「心のどこかで油断していた。主将として自分がチームを引っ張らなくてはならないのにチャンスで打てず、ピッチャーを励ます声も足りなかった。鍛え直したい」。

 稙田監督は「大野の調子が良くないのはわかっていたが、初回を2点に抑えていれば。気持ちが空回りしたうちの守り負け。投手も含めた選手層の薄さが露呈した」と反省しきりだった。

 ◇全校生真っ赤なメガホンで応援

 ○…県大会をノーシードからはい上がり、九州4強入りした創成館。地元開催とあって、全校生徒約600人がスタンドに駆けつけ、真っ赤なメガホンで応援した。「まだまだ、ここからー」。最後まで声をかけ続けたのは柳井田貴司元主将ら夏で引退した3年生たち。悔しい一敗だったが、「本人たちが一番苦しい」と、後輩たちに成長への期待も込めて拍手した。

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 ■青春譜

 ◇4番の執念、意地の一打--坂井陸捕手=創成館2年

 「落ち着いていこう」。初回、大野拓麻投手(2年)に声をかけると、いつもの強気な笑顔が返ってきた。だが、3試合連続完封のエースは立ち上がりを攻められ、いきなり4失点。五回1死でマウンドを降りた背中を見つめ、反撃を誓った。

 ベスト4には満足していない。優勝を目指して臨んだ沖縄尚学戦だった。六回1死一塁からレフト線を破る二塁打を放ち、二塁でガッツポーズした。実は、初戦の神埼清明(佐賀)戦で死球を受け、左足首を負傷した。足の痛みに耐えて4番の執念を見せた一打。これが、意地の1点につながった。

 だが、よもやのコールド負け。試合後、ロッカールームで顔を真っ赤にしながら「悔しい、悔しい」と泣き続けた。

 九州大会は昨秋、九州学院(熊本)にコールド負けを喫した。今年も厳しい幕切れとなった。だが、涙を糧に、「悔しさ」をバネに変えられることは、先輩から教わっている。真っ赤な顔で涙を拭くと、前を見据えてしっかりと歩み出した。

〔長崎版〕