◆第94回高校野球選手権京都大会 ▽準決勝 龍谷大平安6―1福知山成美(25日・わかさ)京都の準決勝で、龍谷大平安が宿敵の福知山成美を6―1で撃破した。145キロ右腕・田村嘉英(3年)が3安打1失点9奪三振と相手打線を手玉に取り、連覇へ王手をかけた。決勝では初の甲子園を目指す京都両洋と対戦する。
マウンドで躍動する背番号10がひときわ輝きを放った。最後の打者を二邪飛に仕留めると、田村は小さくガッツポーズ。最大の武器である鋭く落ちるフォークで、福知山成美の強力打線に次々と空を切らせて9奪三振。「打たれる気がしなかった。投げていて気持ちよかった」。会心の投球で9回を3安打1失点に抑えて、龍谷大平安を2年連続の決勝へ導いた。
悔しさをぶつける最後の夏だ。昨夏の京都大会では背番号1を背負ったが、甲子園では背番号10に“降格”。エースナンバーに戻った新チーム発足後だったが、信頼を勝ち取れず、今春からは再び10に。田村は原田英彦監督(52)に毎日提出するノートにこう記した。「僕はこの夏絶対に1番をつける」
当初は誤字脱字も多かったが、今年1月から毎日見開き2ページにぎっしり書いて7冊目を迎えた。「今まではすぐに忘れるタイプだったが、ノートを書き始めて反省を次に生かせるようになった」。小学2年から中学2年まで習った空手は3段の腕前。絵を描くのが得意で、小学生の頃に3度も京都市長賞を受賞した感性も持つ185センチ右腕。足りなかった精神面がこの一年で成長し、大一番で持っている力を発揮した。
田村に背番号10という試練を与え続けてきた指揮官も「よく投げてくれた。甲子園に行くには絶対に必要な存在」と男泣き。「背番号1で甲子園へ」。2年連続の夏舞台へあと1つ。度胸と感性を兼ね備えた元エースが決勝でもその右腕を振り抜く。
◆田村嘉英(たむら・よしひで)1995年1月12日、京都市山科区生まれ。17歳。小学1年から京都チャンピオンズで内野手として野球を始め、小学5年から投手。中学時代は京都ライオンズに所属し、全国大会4強に進出した。龍谷大平安では1年秋に背番号10でベンチ入り。50メートル走6秒8。遠投110メートル。家族は両親と妹。185センチ、86キロ。右投右打。
(2012年7月26日10時56分 スポーツ報知)