◆第94回高校野球選手権宮城大会 ▽4回戦 古川工0─2柴田(19日・仙台市民) 宮城では4回戦4試合が行われベスト8が出そろった。柴田は只野善昭(3年)の今大会2度目の完封で昨年の覇者・古川工を2―0で下して10年ぶりの準々決勝進出した。

 “7色の球種”を持つ男が8強の扉を開いた。相手が古川工でも柴田・只野は臆さなかった。「練習試合から0点に抑える投球をしてきた。この結果は想定内」。右サイドから低めに集め、被安打はわずか5、三塁を踏ませない投球。初戦(2回戦)の蔵王戦に続く連続完封。3回戦(対東北工大高)で0封した岩佐政也(2年)と作った無失点伝説を27イニングに伸ばした。

柴田ナインは10年ぶりの4強を決めて勢いよく応援席に駆け出した

 操る球種は直球と6つの変化球。この日、決め球で多投したのはスプリットだ。「あんな球があったら」と昨夏の甲子園で聖光学院・歳内(現阪神)に触発されて習得を決意。「直球と同じ感覚で投げられる」と相手の4番・成田拓未(2年)を4打数無安打に抑え込んだ。

 昨夏は東日本大震災で自宅を流失した部員が続出。前主将の佐藤裕次さん(現仙台大1年)もその一人だった。満足な練習ができずに臨んだ夏は3回戦で利府に惜敗。涙する先輩に、「来年はお前らが利府を倒せよ」と愛用していたバットとともにリベンジを託された。練習試合では失点1につき、400メートルトラック10周というノルマを自ら課して牙を研いできた。

 20日の準々決勝は2年連続で夏の県大会で敗れている宿敵・利府と激突。「先発? それは明日のお楽しみ」と平塚誠監督(39)は明言を避けた。だが相手は強打が自慢の第3シード。只野が決め球を選んで強敵に立ち向かうのは間違いない。

(2012年7月20日10時48分 スポーツ報知)