◆第94回高校野球選手権栃木大会 ▽準々決勝 作新学院8x―1足利工=7回コールド=(26日・県総合運動公園) 南米の血が流れる左腕が、リズミカルに直球を投げ込んだ。日系ブラジル人の父、ブラジル人の母を持つ筒井茂(3年)が7回1失点完投勝ち。今大会初登板でチームを4強に導き「最後まで直球で押せました」。背番号10は満足そうに笑った。

 昨夏の苦い経験がある。エースナンバーを背負って臨んだ初戦(1回戦)、先発のマウンドで緊張に負けた。腕が振れず制球が定まらない。4回途中で降板。その後、チームは甲子園行きを決めたが、登板機会がないまま、甲子園のメンバーからも外れた。

 悔しさを冬場の練習にぶつけた。走り込みでは誰よりも多く、長く、速くを意識。球速は10キロ以上アップし、今春センバツでは聖地デビューも果たした。「去年の借りを返す。投げたくてウズウズしていたんです」。大きな瞳には、自信が満ちあふれていた。

(2012年7月27日06時00分 スポーツ報知)