28日に札幌円山で開幕する、春季全道高校野球大会の組み合わせが22日、決まった。44年ぶり3度目の出場の網走桂陽は、1回戦で30日に初出場の旭川西と対戦する。冬は気温マイナス10度を下回る中、半袖で白球を追ってきた。休日には老人ホームを訪問し、人生の先輩からの教えを、野球に生かしてきた。周囲への感謝を胸に臨む大舞台で、旋風を誓った。この日は函館地区で代表決定戦が行われ、昨春の全道覇者、函館大有斗が道大会進出を決めた。

 今年の最低気温はマイナス16・8度。極寒の中、心技体を鍛えてきた網走桂陽ナインが、成果を発揮するときが来た。前身の網走向陽時代から44年ぶり、現校名5年目で初の道大会初戦は、旭川西と戦う。大野裕斗主将(3年)は「普段通り、楽しんでやりたい」と平常心を強調した。

 氷点下の中、雪上で練習した。半袖で白球を追い、午後9時すぎまで自主練習し、技術向上を目指した。中條尚志監督(43)は「野球が大好きな子の集まり」という。部員27人が新たな歴史を作ろうと取り組み、迎えた春、結果を出した。

 技術以上に心も鍛えた。大野主将は「市民の皆さんと一緒に戦っているので」とはっきり口にする。「日常がきちんとできないとプレーで失敗する」と言う中條監督の教えから、グラウンド外での活動にも積極的に取り組んだ。週1回の休日は、学校から徒歩3分の老人ホーム訪問が恒例となった。21日も優勝旗などを手に訪れ、交流を図った。

 人生の先輩たちから受けた言葉は忘れない。「人間性があってこそ真の強いチームになれる」。真摯(しんし)に受け止め、ボランティア活動に励み、全道舞台までたどり着いた。「皆さんと触れ合ったときにもらった言葉が、ピンチのときの支えになっている」と大野主将は強調した。激励の寄せ書きを始め、多くの後押しがある。さまざまな人の気持ちも乗せ、円山へ乗り込む。

(2012年5月23日10時34分 スポーツ報知)