毎日新聞 2012年03月27日 地方版
◇「長く一緒にいたい」
第84回選抜高校野球大会(毎日新聞社・日本高校野球連盟主催)第6日の27日、浦和学院(埼玉)と対戦する三重の小森文広・野球部副部長(29)は、今月で同校を去る。選手にとって恩師であり、兄のような存在だ。選手たちは「少しでも長く一緒に」との思いを一つにして8強入りに挑む。
小森副部長は三重の卒業生だ。在学中は内野手として活躍したが、最後の夏の大会ではメンバーから外れる悔しさも経験した。07年、保健体育の常勤講師として同校に赴任し、コーチを務めていた。講師としての契約は今月で切れ、4月からは松阪市内の中学校に勤務する予定という。
沖田展男監督(33)を含め3人の指導者の中で最も若い。親しみやすい性格から選手の信望が厚く、悩みを相談する選手も多い。練習中は選手と一緒に守備位置につき、指導することもある。「同じ目線でプレーしなければ伝えられない」との思いからだ。
現在は2軍に当たるBチームの試合で指揮を執る。日に当たりにくい選手への指導に熱心だった。
「弟みたいでかわいい子たちです。積極的にプレーをして、雰囲気を楽しんでほしいですね」。自身が届かなかった甲子園。だからこそ、教え子たちはいとおしい。「1日でも長く、この子たちと一緒に野球をしていたいです」。8強入りを掛けた浦和学院戦は、ダッグアウト上の客席から見守る予定だ。
岡本拓朗主将(3年)は「できるだけ長くいたい。プレーをよく見て、相談に乗ってくれる兄のような人。最後のセンバツは勝ち続けて笑って終えたい」と誓う。固い絆で結ばれた「兄」のためにも、2回戦では負けられない。負けるわけにはいかない思いだ。
〔伊賀版〕