通信制高校が春夏通じ史上初の甲子園出場を決めた--。第84回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)の選考委員会が27日あり、県内から私立地球環境高校(佐久市)が選ばれた。同校として春夏通じて初出場。通信制の出場も史上初の快挙。昨年の秋季北信越大会で準優勝を果たし、投手力を中心に堅い守りで勝ち抜いた全員野球が評価された。県勢のセンバツ出場は、08年の長野日大と丸子修学館の両校出場以来4年ぶり。センバツは3月21日、阪神甲子園球場で開幕する。

 27日午後、佐久市の地球環境校舎内の校長室に報道陣約40人が続々と集まった。選考結果の連絡が順次始まる午後3時過ぎ、室内は静かになり、朗報を待つ吉沢正直校長も緊張した表情。

 午後3時半ごろ、机上の電話が鳴り、受話器を手に吉沢校長が「ありがたく、お受けいたします」と答えた。一斉に拍手がわき起こり、満面の笑みの校長は大声でバンザイした。一方、校舎隣のグラウンドでは雪が残る中、選手たちは黙々とランニングなどの練習中。校長が現れると、選手は整列。「センバツ出場の電話をいただきました」と校長が報告し、選手たちは「よし」と小さく声を上げ、喜びをかみしめた。

 静かな感動ぶりに校長が「何も感動はないのか。胴上げだ」と笑顔で再び声を掛けると、選手らは歓声を上げ、羽鳥均監督らを次々胴上げした。

 その後、集まった保護者らを前に坂本大地主将(2年)が「これから一日一日、大切にして、甲子園で1試合でも多く戦いたい」とあいさつ。羽鳥監督は「いつも通りのプレーをすれば、結果は残る。北信越の代表として一生懸命頑張るのでよろしくお願いします」と抱負を述べた。

 選手は報道陣の求めに応じ、帽子投げやガッツポーズをして喜びを表現した。

 ◇佐久平駅近くで本紙号外を発行

 地球環境高の出場決定を受けて毎日新聞は号外を発行した<下>。午後4時過ぎ、JR佐久平駅近くのショッピングセンター前で、買い物客などが次々に号外を手にし「決まったんだ。よかったねー」と初出場を祝福した。

 号外はタブロイド判4ページ。「創部7年目のチームに春」との文字が躍る。同市中込の男性(60)は「規模が小さく運動場も狭い学校で、よく頑張って出場できた。初戦勝利を願う」と期待。飯田市の主婦、坂神仁子さん(76)は「『出場できるのでは』と思っていたが、とにかくおめでとう。甲子園を楽しんでほしい」とエールを送った。

毎日新聞 2012年1月28日 地方版