◇精いっぱいプレー
今年は大相撲が大きく揺れた1年だった。
前年からの野球賭博事件に続き、2月に八百長事件が発覚。春場所は中止。夏場所も中止のうえで技量審査場所が開かれた。大相撲の将来が危ぶまれるなか、相撲を精いっぱいとり続けることで、ファンの支持を得たのが大関の魁皇(現浅香山親方)だ。処分に不満を持つ力士から場所のボイコット意見が出た時、魁皇は「力士が相撲を取らないでどうする」と反対した。
通算最多勝利記録1047勝を打ち立て、名古屋場所の途中に引退。1000勝以上は元横綱・千代の富士(現九重親方)の1045勝だけ。幕内在位107場所、同出場回数1444も歴代最多。身長185センチ、体重164キロの力士として均整の取れた体格。土俵上の所作の美しさ。右上手の怪力。記憶に残る大関だ。
東日本大震災発生から12日後に開幕した第83回選抜高校野球大会。創志学園(岡山)の野山慎介主将の選手宣誓が大きな感動を呼んだ。「私たちは16年前、阪神淡路大震災の年に生まれました」と始まり、犠牲者、被災者に思いをはせて「人は仲間に支えられることで大きな困難を乗り越えることができると信じています。私たちに今できること。それはこの大会を精いっぱい元気を出して戦うことです」と続けた。同高は創部1年でセンバツ出場を果たし、全員が新2年生。1回戦で敗れたが、長く語り継がれる宣誓となった。
被災地の仙台を本拠地とするプロ野球・楽天の選手会長、嶋基宏も、4月の復興支援試合で「見せましょう野球の底力を。ともに頑張ろう東北! 支え合おう日本!」とスタンドに呼びかけた。
日本サッカー協会は3月29日に大阪で、日本代表とJリーグ選抜による復興支援のための慈善試合を開催。また、07年から行っている小学校へのアスリート派遣事業「こころのプロジェクト」を発展させ、日本体育協会など4団体で、被災地の6県で選手らが教壇に立つ「笑顔の教室」を展開している。
4月からNHKで始まったテレビ番組「アスリートの魂」の制作チームは、挑戦を続ける競技者の心を、丹念に追い続けた。(おわり)
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◆文化賞の主な候補◆
浅香山親方=元大関・魁皇、友綱部屋
創志学園野球部
嶋基宏=プロ野球、楽天
日本サッカー協会
NHK「アスリートの魂」制作チーム
毎日新聞 2011年11月25日 東京朝刊