◆明治神宮野球大会第1日 ▽大学の部・1回戦 東北福祉大4x―3桐蔭横浜大=延長13回タイブレーク=(23日・神宮) 東北福祉大(東北3連盟)が桐蔭横浜大(関東5連盟第2代表)に延長13回タイブレークの末、4―3でサヨナラ勝ちした。09年の大会で1回戦を突破して以来、大学選手権も含め2年ぶりの全国大会勝利となった。尾形裕介外野手(4年)が、3回1死満塁で右前に先制タイムリーを放つなど2安打の活躍を見せた。

 終わってみれば貴重な1点を、震災で甚大な被害を受けた東松島市出身の尾形がたたき出した。3回、3連打で1死満塁とした場面で、チェンジアップを右前に運び先制。3番打者は「震災のことが忘れられてきている。そういう気持ちで試合に入って、あのタイムリーにつながったと思う」とニッと笑った。

 スタンドには、東日本大震災で被災した双方の祖父母4人の姿があった。石巻発の夜行バスで約8時間かけて応援に駆けつけた。同市内に住む父方の祖父・熱海道大さん(70)宅は、津波で流失。9月に仮設住宅に入れるまで、尾形の実家や広島の叔父宅で暮らしていたという。

 その祖父母から試合前に小遣いをもらった。「先にやると打った試しがなかった」と、母方の祖父・尾形博巳さん(72)が言うように、これまで試合前にもらうとヒットを打てなかった。が、この日は2安打。「今日は気合です」と、ジンクスを打ち消した。熱海さんは「いがったね。来たかいがありましたよ」と喜んだ。

 チームはタイブレークの末に粘り勝ち。「全力プレーをみんなで心がけて、明るい話題を届ける試合をしたい」。故郷のためにも負けるわけにはいかない。

(2011年11月24日12時02分 スポーツ報知)