◇神村学園VS九州学院
 大分県で開催中の第129回九州地区高校野球大会は27日、準決勝2試合があり、神村学園が別府青山(大分)を6-2で降し、決勝進出を決めた。28日正午、新大分球場で九州学院(熊本)と九州王者の座をかけ激突する。

 ▽準決勝

別府青山

  000000200=2

  00004200×=6

神村学園

 (別)中村、右田、中村、安勇-河野

 (神)柿沢-中野

▽本塁打 柿沢(神)

▽三塁打 新納、柿沢(神)

▽二塁打 高橋直(別)二河(神)

 「まずはチャンスを作ろう」。四回まで三者凡退が3度、唯一の好機も併殺で失う重苦しい展開だった。五回、今大会初先発の柿沢貴裕投手(2年)がチームバッティングを胸に打席に立った。追い込まれてからの5球目は右翼ポールを外れ、あわやの大ファウル。そして6球目、内角高めの直球をとらえた打球は右翼手の頭上を大きく越える先制弾。思いもよらぬ形の先制点に、眠っていた薩摩隼人の魂が覚醒した。

 新納真哉選手(同)の2点適時三塁打を含む4連打で、この回一挙4点。六回にも中野大介選手(同)の左前適時打などで2点を加え試合を決めた。柿沢投手は変化球を低めに集める丁寧な投球で被安打5。打撃でも3安打2打点と活躍した。

 「ベンチの雰囲気は良い。もう、目標は優勝しかない」と弥栄翼主将(同)。山本常夫監督は「鹿児島の代表としてここまで来た。昨年の鹿児島実業に続き、優勝旗を持ち帰りたい」と力を込めた。

 ◇「神村」の2文字胸に応援
 ○…胸に「神村」と刻まれたユニホーム姿で応援するのは大分市のNPO法人に勤務する田辺優子さん(22)。神村学園高等部女子硬式野球部に所属していた縁で、後輩を激励しようと駆けつけた。大分市立南大分中時代、男子ばかりの野球部でキャプテンを務め、野球をやりたくて神村学園に進学。今も働きながら、大分県出身で初の女子プロ選手を目指している。「後輩が活躍する姿は活力になります。わたしも頑張るから、頑張れ神村」。はじける笑顔で神村ナインを見守っていた。

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 ■青春譜

 ◇「課題克服」を誓う--中野大介捕手=神村学園(2年)
 IDにはIDで--。試合前夜、山本常夫監督と投手4人、捕手2人が集まって出した結論は「先発柿沢」。それまでの2試合を投げ抜いた平藪樹一郎投手(1年)は疲れもあり、柿沢貴裕投手(2年)の方が勝算が高いとの判断だ。「初球は変化球で。低めに集めるぞ」。明確な指示。頭脳的な投球で、データ重視の“ID野球”の別府青山打線に凡打の山を築かせた。

 「配球はすべて任せている」と柿沢投手も全幅の信頼を寄せ、テンポを崩すことなく完投。山本監督が「初回を0点に抑え、4番打者を完全に封じたのが勝因」と言う理想的な試合展開だった。

 打撃でも4打数3安打1打点と援護。五回にはセーフティーバントを決め、打線をつなげた。それでも満足はしていない。2失点の七回、柿沢投手の球は浮き気味だった。「ショートバウンドでもいいから低めに来い」と声を掛けていたら……。「課題は克服する」。投手の影で静かに誓った。

毎日新聞 2011年10月28日 地方版