第82回都市対抗野球大会(毎日新聞社、日本野球連盟主催)第7日の28日、徳島県高校野球連盟常任理事の中尾美登里(みどり)さん(53)=徳島県小松島市=が公式記録員として「全国デビュー」した。かつて都市対抗で場内アナウンスを担当した時、レベルの高いプレーに感動し、「またこの舞台に戻ってきたい」と思い続けてきた。マイクをペンに持ち替えて夢をかなえた中尾さんは「プレー一つ一つをしっかりと刻みたい」と力を込めた。

 子どもの頃からの野球好き。長男英行さん(25)の少年野球の記録を残そうと、独学でスコアを付け始めた。03年秋に徳島県高野連に誘われ、高校野球の場内アナウンスを務めるようになり、翌夏の県大会からは公式記録員も担当した。

 その活躍ぶりが関係者の間で伝わり、06年の第77回都市対抗で場内アナウンスを担当した。東京ドームでメンバー表を読み上げるという大仕事に緊張したが、高いレベルのプレーに感動した。今回、記録員として声がかかり、「帰ってこられてうれしい」という。今大会、女性で公式記録員を務めるのは中尾さん1人だ。

 28日は第1試合と第3試合を担当。複雑なプレーが毎試合のようにあり、ヒットとエラーの判断も任される。「毎試合が勉強」と、表情を引き締める。今大会、東日本大震災の被災地、仙台市・JR東日本東北の森内寿春投手が完全試合を達成したことで「野球は人を元気にできる」と改めて感じた。「日本を元気にしようと頑張る選手たちのプレーを、しっかり残さなければ」とグラウンドを見つめた。

毎日新聞 2011年10月29日 大阪朝刊