今年5月の1カ月に読んだ本は、中学生以上では岩崎夏海氏の「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」(もしドラ)が男女ともに上位を占めた。男子は中学2年以上の全学年で1位、女子は中学1年以上で2~4位に入った。
調査対象の5月が、テレビアニメの放映と、人気アイドルグループAKB48の一人が主演する映画の公開直前だったことが影響したと見られる。
「もしドラ」以上に女子の人気を集めたのは、今年の本屋大賞を受賞した東川篤哉氏の「謎解きはディナーのあとで」。中学1年から高校2年は1位、高校3年でも2位となった。主人公がお嬢様刑事とその執事という設定で、ユーモアミステリーの軽い内容が受け入れられたようだ。
最近の話題作が上位に並ぶ中高生に対し、小学生は定番が多い。小学生男子は4年生は原ゆたか氏の「かいけつゾロリ」シリーズが、5~6年生は「織田信長」などの伝記が人気。小学生女子は4~5年生は「ヘレン・ケラー」などの伝記が、6年生は深沢美潮氏の「IQ探偵ムー」シリーズが上位を占めた。
読んだ本(教科書、参考書、マンガ、雑誌等を除く)の冊数は、小学生が昨年比0・1冊減の9・9冊、中学生は同0・5冊減の3・7冊、高校生は同0・1冊減の1・8冊。
一冊も本を読まなかった割合(不読率)は、小学生6%、中学生16%、高校生51%で、10年前の不読率(小学生11%、中学生44%、高校生67%)と比べ、小中高いずれも低下している。学校での一斉読書活動が普及したこともあり、とりわけ中学生で読書の習慣が広がったことが分かる。
◇中高生の雑誌は最少に
今年5月の1カ月に読んだ雑誌の読書量は▽小学生4・9冊(昨年比0・4冊増)▽中学生3・3冊(同0・9冊減)▽高校生2・4冊(同0・5冊減)で、中学・高校生はどちらも過去最低。77年のピーク時には、中学生は10・8冊、高校生は9・9冊(75年も同数)を記録しており、中学生は約3分の1、高校生は約4分の1と大幅に減った。小学生も86年のピーク時(9・3冊)から半減している。
多くの情報がインターネットで入手できるようになったことに加え、新古書店でコミックスを低価格で買い、読み終わったらまた売るというスタイルが普及したことで、漫画誌の購読が減少したことが影響したと見られる。
読んだ雑誌の1位は、男女・各学年とも昨年と同じ。男子は小学4~6年は「月刊コロコロコミック」、中学1年以上は「週刊少年ジャンプ」。女子は小4~6は「ちゃお」、中1~2は「nicola」、中3~高1は「Seventeen」、高2~3は「Popteen」。
2位以下も大きな変化はないが、小学4~5年男子で子ども向け科学誌「週刊かがくる」が5位にランクインしたのが目立った。同誌は女子でも小4は16位、小5は13位に名を連ねており、親が好んで子どもに買い与えているという傾向がうかがえる。
◇放課後「主に読書」2~3%
子どもたちが授業が終わってから一番何をして過ごしているかは、男女別、また小中高の別で大きく変わる。
小学生は、男子は(1)電子ゲームをする(2)友達と会って遊ぶ(3)習い事をする(4)テレビを見る--の順にそれぞれ15~21%と大差なく並び、女子は(1)勉強をする(2)テレビ(3)友達と遊ぶ(4)習い事--で、これも15~20%で、男女とも4項目合わせて約7割を占めている。
これが中学生となると「友達と遊ぶ」が男女とも1%に激減。習い事も男子は5%、女子は3%まで減り、代わって「部活動」が突出して増え、男女とも3分の1に達した。男子は「部活動」と「電子ゲーム」を合わせて49%、女子は「部活動」と「携帯電話を使う」で41%と、ほぼ半数を占める。
高校生では「部活動」とともに「携帯電話」が目立つようになる。女子は「携帯電話」の26%と「部活動」の24%がほぼ並び、合わせて5割。男子は「部活動」31%、「携帯電話」11%で、これに中学生まで多い「電子ゲーム」の9%を加えると5割に達する。
小中高を通じて数字に大きな差がなかったのは「テレビを見る」で、男子は小中高の順で15%、16%、12%。女子は同じく18%、20%、16%。男子より屋内活動が多い女子のほうがやや高い。
一方「読書をする」は、小学生3%、中学、高校生はいずれも2%と少数にとどまった。
友人関係という点で考えると、行動範囲が狭い小学生は近所の友達と直接会うことが多いのが、中学生以上では同じ好みを持った部活動での交友が主体となり、部活動以外では、女子は「携帯電話」で、男子は年齢が低いほど「電子ゲーム」、高学年では「携帯電話」で関係を深める様子がうかがえる。
さらに、子どもたちが放課後、一番している過ごし方に、どれだけの時間を使っているのかを聞いた。
「1時間未満」と「1~2時間未満」を合わせた数字は、小学生では45%と半数近くに上るのに対し、中学生では25%、高校生では23%と4分の1程度になっている。代わって中学生は「2~3時間未満」が42%、「3~4時間未満」が19%、高校生ではそれぞれ35%、21%を占めている。年齢が高いほうが、好きな活動に使う時間が増えると言える。
それぞれの過ごし方ごとに見ると、「友達と会って遊ぶ」を選んだ小学生は、「1~2時間未満」(40%)と「2~3時間未満」(34%)が大半を占めるのに対し、高校生だと「3~4時間未満」が25%で最も多く、次いで「2~3時間未満」と「5時間以上」がともに21%、「4~5時間未満」も18%に上る。放課後、友達と遊んで過ごす高校生は3%と少ないが、付き合いは小学生に比べはるかに濃密だ。
「携帯電話を使う」は、中学生では▽3~4時間未満24%▽2~3時間未満19%▽1~2時間未満18%。高校生では▽2~3時間未満28%▽1~2時間未満24%▽3~4時間未満16%。高校生は使う人が増えた分、熱心な人の割合が減り、平均使用時間が下がっていると見られる。
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●来春に報告書を発行●
「第57回学校読書調査」と、全国の16歳以上の男女を対象に実施した「第65回読書世論調査」(26日掲載)の結果をまとめ、詳細なデータを加えた報告書「読書世論調査2012年版」を来春、毎日新聞社から発行する予定です。
報告書は1部3150円(税、郵送料込み)。購入希望者は〒100-0003東京都千代田区一ツ橋1の1の1 毎日企画サービス(電話03・3212・0403)へ、はがきか電話でお申し込みください。代金後払いで、報告書を発送する際に郵便振替用紙を同封します。
毎日新聞 2011年10月27日 東京朝刊