「満足のいく10年間でした」--。青森山田高野球部を春夏計8回甲子園に導き、県内の高校野球をリードし続けた渋谷良弥監督(64)が25日、退任した。総監督として指導は続けるが、公式戦は指揮しないという。

 会見で渋谷氏は「夏の大会前から就任10年の節目で退任を決めていた」と語った。全国高校野球選手権青森大会の初戦前に選手にも伝えていたという。準々決勝では光星学院に10-15で敗れたが、同校は13点差から猛追。「逆転はかなわなかったけど、生徒は意地を見せてくれた。感謝したい」と語った。

 一番の思い出に、02年に就任3カ月で夏の甲子園出場を決めたことを挙げ「早朝からの練習によくついてきてくれた」と振り返った。県内の高校野球について「10年前と比べ全体のレベルが上がった。光星学院は良きライバル。お互いに強くなれた」と語った。

 後任には渋谷氏の下で10年間コーチを務めた美斉津(みさいつ)忠也氏(33)が就任した。

 渋谷氏は山形市出身。母校の日大山形高で01年まで30年間監督を務め、春夏計14回甲子園に出場した。青森山田高では02年から10年間監督を務め、09年に県史上初の夏の大会6連覇を達成した。

毎日新聞 2011年7月26日 地方版