道内アマチュア野球のトップを切って北海道六大学野球春季リーグ戦が開幕した。東農大生物産業学部は終盤の加点で旭川大に逆転勝ちし、4年ぶりの春季リーグ制覇に好発進した。2季連続リーグ制覇を狙う函館大は、道教大函館にコールド勝ち。苫小牧駒大は東海大北海道を逆転で下した。

 勝負どころを逃さなかった。同点の9回だ。3番鈴木健史(4年、山形城北)の左翼二塁打、4番トマセン・ダニエル(3年、神戸弘陵)の右前打でつくった無死一、三塁から、布山龍之介(4年、東農大一)が高め直球を左前に運んだ。「ベンチ一体、気持ちで打った」。布山が塁上で突き上げた右手が、チームの総力を象徴した。

 プレーオフで函館大にサヨナラ負けした昨秋の悔しさは忘れない。わずかに届かなかった差を埋めるため、樋越勉監督(52)は“自己犠牲”を繰り返し説いてきた。2010年最初のチーム練習の1月5日には、今年のチームテーマを「人」に決めた。昨秋リーグ首位打者(打率・529)の布山は「人は支え合っている。その助け合いが自己犠牲となる」と断言。“決める”意識ゆえに残塁が多かった昨秋と違う意識が浸透しつつあるチームに、樋越監督も「“自己犠牲のない選手は使わない”と言ってきた。若いチームが頑張っている」と話した。

 4年ぶりの春季リーグ制覇に弾みをつける開幕戦勝利。2回の左翼ソロ本塁打に加え、9回には4点目となるダメ押しの左前適時打の川島亮太(2年、千葉経大付)は「1打席1打席を大事にしたい。必ず優勝する」。“チーム”を思う“個人”の意識が目的への近道となる。

[ 2010年05月02日 ]