2009.7.29 09:23
第91回全国高校野球選手権大会(8月8日から15日間・甲子園) 青森大会は28日、決勝戦を行い、青森山田が大湊に4-3で競り勝ち、6年連続10度目の甲子園出場を決めた。6年連続出場は、戦後では98-05年にかけて8年連続出場した明徳義塾(高知)に次ぎ、75-80年の松商学園(長野)と並ぶ史上3校目の快挙。春季大会は地区予選敗退とどん底を味わった青森山田が、午前3時過ぎからの早朝練習で心身ともに鍛え直して“夏切符”をつかんだ。
最終回。ライナー性の打球が遊撃手のグラブに収まると、井上貴滉投手(3年)の元へ選手たちが駆け寄った。九回に1点差まで追い上げられながら、逃げ切った。

 「苦しい試合だったし、勝ててうれしい。本当にきつい練習をしてきたが、選手たちはよく辛抱してくれた」

 渋谷良弥監督が選手たちをねぎらった。8連覇の明徳義塾に続き、松商学園と並ぶ戦後3校目の6連覇達成。5月の春季県大会は地区予選で青森北に2-4で敗れた屈辱から、苦難を乗り越えてつかんだ快挙だ。

 地区予選敗退後、チームは夜明け前の午前3時過ぎから室内練習場で、授業が始まるまで早朝練習を実施。寒さの残る中、走り込みや打ち込みなど基本を徹底的に鍛えた。午後練習は2時過ぎから約3時間、ボールを使わず走り込みで下半身を強化。これで心身ともに失いかけていたモノが徐々によみがえってきた。

 主将の中村篤人外野手(3年)は「自分たちが1番きつい練習をやってきた、という自信はある」と言い切った。今大会はノーシードで1回戦からの出場。2回戦で第2シードの弘前学院聖愛を2-0撃破して手応えを感じ取った。

 悔しい敗戦を糧に選手たちは試合を重ねるごとに成長。「あの負け(春の地区予選敗退)があったからきょうがある」(渋谷監督)と決勝戦では好機を逃さなかった。

 0-1で迎えた五回にスクイズで追いつくと、六回無死三塁で3番・宮守淳貴内野手(3年)が中越えの適時二塁打で逆転。なお二死二、三塁から井戸川皓平外野手(3年)が中越えの2点適時二塁打と高い集中力でたたみかけた。

 過去の夏の大会の最高成績は99年の8強。昨夏は3回戦で慶応(神奈川)に0-2で敗れた。「なんとしても8強の壁を破りたい。甲子園までまだ時間があるし、基本に戻って戦いたい」と夢舞台での目標を口にした渋谷監督。中村主将は「青森の代表に恥じない戦いをしていく」と話し、全国の頂点を見据えた。