(交流戦、阪神4x-3ソフトバンク、3回戦、1勝1敗1分、7日、甲子園)劇勝の中心は、やっぱりアニキや! 阪神・金本知憲外野手(41)が1点を追う九回一死満塁、右前へ逆転サヨナラ打。交流戦首位を走るソフトバンクを下し、初の4連勝だ。今季4度のサヨナラ勝ちは、すべて4番が主役。開幕から乗り切れない虎が壁をぶち破り、今度こそビッグウエーブに乗った。

今季最多4万6849人の虎党の夢を乗せ、ベンチ、そしてナインの願いを乗せて、金本がバットを振り抜いた。1点を追う九回一死満塁。鷹の守護神・馬原の初球直球。高く跳ね上がった打球が一塁手・小久保の頭上を越える。手荒い祝福の真ん中に、やはり頼れる4番の笑顔があった。

 「おいしいところといえば、おいしいところでしたので。後ろの新井サンに期待するわけには、いかないんでね」

 歓喜の日曜日。お立ち台で恒例の後輩いじりも冴える。交流戦首位のソフトバンクとの2連戦。先発は難敵・杉内だったが、今季3度目の挑戦で初の4連勝。聖地での3連勝も初めて。正念場の一戦で、チームの勢いを加速させた。

 「馬原くんを打ったというより、杉内くんが投げた試合で勝ったのが、大きいと思います」

 一回、自らの中前打で口火を切り、新井、ブラゼルと続く“虎のAKB”の3連打で2点先制。そして、土壇場でうっちゃった。シーズン4本のサヨナラ打は田淵幸一、竹之内雅史に並ぶ球団記録。「それだけ前の打者がつないでつないでチャンス作ってくれて、たまたま僕に回ってきている」。控えめにいうが、51試合目でプロ野球記録の5本にもリーチだ。

“お決まり”のシーンがある。殺到するナインへの両手での手招き。先頭で突っ込むのは藤本、葛城らだ。「とにかく当たり負けしないように」と藤本は笑う。アニキ流“ぶつかり稽古”。4番の重み、チームを背負う重み。全てを全身で受け止め、はね返す。左ひざや右内転筋の不安を抱える41歳だが、シーズン中では最高値となる130キロのスクワットと90キロのベンチを、今もこなす。歓喜の輪で後輩に当たり負けなどあり得ない。

 「やっぱりあそこ(4番)に回ってくる」と真弓監督。6月はここまで4試合15打数2安打だったが「ちょっと調子を落としていたけれど…最後は仕事してくれますね」。開幕から打線が低迷。ブラゼルが加入して勢いづくが、それを地力に変えるためには、主砲の完全復調が必要だ。

 借金は4に減り、交流戦は貯金1。金本は「まだまだ借金があるんで。絶対1日も早く5割にしたい」と声を強める。

 「まだまだ自分たちの戦いができていないですが、こうやって4連勝できたんでもっと強くなると思います。必勝パターンができたらノリノリになっていくと思います」

 反攻の6月。決して倒れない4番に導かれ、虎が奇跡の扉を開く