旭川工が旭川実に5―3と逆転勝ちし、4年ぶり5回目の支部代表を決めた。前日の準決勝で杉山雄規主将(3年)が左ひざじん帯を部分断裂し戦線離脱。そのアクシデントにチームは結束、昨秋支部代表のライバルを撃破した。この日で全道10支部計15校の代表が出そろった。25日に組み合わせ抽選が行われ、全道大会は31日、札幌円山球場で開幕する。

 患部を包帯とサポーターで固定し、ベンチ最前列から声で鼓舞する主将の姿に仲間が応えた。1点を追う5回2死一、三塁から4番・片岡拓郎(3年)の右越え二塁打で逆転。旭川実の反撃をしのいだ。「キャプテンがいない分、キャッチャーの自分が引っ張らないといけないと思った」。逆転打を含む3安打の片岡は、秘めた思いをほとばしらせた。

 約束を果たすために負けられなかった。22日の準決勝・旭川明成戦の6回の遊撃守備で杉山が負傷した。責任感から痛みを押し隠し、終盤まで出続けたが、診断は全治3週間。アクシデントにムードは沈みかけたが、病院から戻った主将に「おまえのために絶対勝つ」と声をかけているうちに自然とチームも結束していった。

 この日は5点中4点を2死からのタイムリーで叩き出した。ライバル校の1つ、旭川南に敗れて支部初戦敗退に終わった昨秋を機に重視したメンタルトレーニングが奏功。今大会3回戦でその旭川南も下した。左足を引きずりながら歓喜の輪に加わった杉山は「みんな頑張ってくれた」と感謝。佐藤桂一監督(51)も「彼の人望がこういう試合をつくった」と笑顔を見せた。

 4年ぶりの夏の甲子園に挑む今年、春4年ぶりの全道を布石とする。「目の前の1試合を大事にしたい」と片岡。主将不在の円山も、強固な結束力で戦い抜く。