僕ももっと欲張りにならないとダメだなと思った。阪神・大和と話していてそう感じた。

 4月14日に初めて1軍に昇格し、翌15日には八回から二塁の守備につき、公式戦に初出場。今年でプロ4年目の若虎だ。

 1軍に昇格してから、ここまで4試合に出場。主に代走や守備固めでの出場だが、華麗な守備には一見の価値がある選手だ。だが、自慢の守備力を生かした好捕連発で、1軍定着のアピールをしたいかと思っていたが、そうでもないらしい。当然といえば、当然だが、やっぱり打ちたいらしい。

 「ファインプレーもしたいけど、やっぱりヒットを打ちたいですよ」

 1メートル76、64キロとスリムな体つき。決してホームランを何本も打つ選手ではない。自分の今の役割が『足』と『守備』であることを理解した上で、打席でも勝負したいというわけだ。

 だが、その打撃力はまだまだ発展途上。公式戦でも1打数無安打。『チャンスで代打』というタイプの選手ではない分、今後も打席に立つ機会はあまり多くないだろう。

 大和自身も「思ったより1軍にいられていて、自分でもビックリしていますね」と話す。出場自体も、これから一気に何試合も増えるというわけにはいかないだろう。

 「やっぱりここは地道に、得意の守りから少しずつ前進していけばいいのでは?」と思っていたら、全く逆の答えが返ってきた。

 「う~ん、やっぱり両方ですね。1軍にいるうちに、両方で結果を出したいです」

 その心意気。お見それしました。確かに、控えめになって自分のためになるほどプロの世界は甘くない。それはきっと、記者の世界も一緒。大和の姿勢を、僕も見習わなきゃ…。


高瀬 悟嗣(たかせ・さとし)
1982(昭和57)年12月20日、愛知県生まれ。愛知大卒。07年9月入社。現在はアマチュア野球担当。コテテコの中日ファン。入社後すぐに竜弟の優勝を取材、2カ月後には53年ぶりの日本一の瞬間に直面した。地元の伊良湖は二軍投手のキャンプ地だった“ミスタードラゴンズ”。学生時代に9年間続けた柔道は初段だが、いまではメタボ予備軍に…。