◇あす4強対決 日南学園×延岡学園 宮崎商×都城東
16日は、サンマリンスタジアム宮崎で準々決勝の残り2試合があり、宮崎商と延岡学園がそれぞれ勝ち上がり、ベスト4が出そろった。宮崎商は17安打11得点の猛攻で都城農を退け、延岡学園は前田が1安打完封で鵬翔にコールド勝ち。17日は休養日で、18日に準決勝がある。
◇都城農、初回に先制も力負け
▽準々決勝
都城農
200000030=5
11003006×=11
宮崎商
同点の八回、宮崎商は永田の右中間二塁打を皮切りに大量6点を挙げて試合を決めた。都城農は初回、4四球に敵失を絡め無安打で2点。八回も2番手の黒木勇を攻め、同点に追いついたが、最後は赤川に抑えられた。
◇鵬翔、打線沈黙 前田に零封許す
鵬翔
0000000=0
0001213=7
延岡学園
(七回コールド)
延岡学園の前田が1安打零封。打線も全員の12安打でコールド勝ちした。四回、敵失で先制。五回は2死から3連続短長打で2点。その後も長打を絡め、着々と加点。鵬翔は前田の前に、二回を除き三者凡退と沈黙した。
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■青春譜
◇やりきったエース--永田洸陽投手=都城農(3年)
同点の八回無死一、三塁。外野から再びマウンドへと呼び戻された。
ノーシードのチームをここまで引っ張ってきたのは、彼の左腕だった。全3試合24イニングを1人で投げ抜いてきた。この日も先発したが、五回でスタミナが切れ、外野に回っていた。
試合の勝負どころを迎え、東監督は永田の余力にすべてをかけた。しかし……。
もうボールを握る手に力が入らなかった。肩で息をしながらも打者をにらみつけるその目は、せめてものエースの矜持(きょうじ)だったかもしれない。
帽子のつば裏には、「ここに自転車を置かないでください」と風変わりな「まじない」が書いてある。部室横に自転車を無断駐輪した時、張り紙で注意された。これを仲間が面白がって、帽子にも同じ文言を書いた。永田はこれを気に入っている。マウンドでピンチを迎えると、そっと帽子をとって、これに目を落とした。ひょうきんだが、頼れる仲間たちが後ろで守ってくれている、と思うと不思議と力がわいた。
野球部は近年、不幸が続いた。2年前、マネジャーが下校中、車にはねられて亡くなった。昨年秋には黒原健太選手が交通事故で、右足などを折る重傷を負った。つらいことをいっしょに乗り越えてきた部員たちの思いが、再び永田にマウンドへと向かう力を与えてくれた。しかし、すでに余力は尽きていた。
試合後、「もうみんなで野球ができない」寂しさで涙が出た。でも、「やりきった」と永田は顔を上げた。
毎日新聞 2008年7月17日 地方版