東京六大学野球春季リーグ戦が11日、東京・神宮球場で開幕し、1回戦2試合が行われた。第1試合は早大の斎藤佑樹投手(3年)が7回3安打無失点、10奪三振の力投で東大に11―0で大勝。現役最多の19勝目を挙げた。また開幕戦の通算勝利数を4勝とし、02年の和田(現ソフトバンク)ら戦後の早大最多記録に並んだ。第2試合は立大が慶大に1―0で逃げ切り先勝した。
さわやかな春風薫る神宮で斎藤は1人もがいていた。自身は7回3安打無失点。打線も11得点を奪った。結果は完勝。しかし楽ではなかった。
「今までの18勝とは違う意味があると思います。細山田さんなら任せて投げられたけど(今年は)年下の捕手なので考えなくてはいけないことは増えました」
1年春から昨年までは横浜入りした細山田とバッテリーを組んできた。しかし、この日は今春入学したばかりの杉山。序盤から息が合わなかった。「よくリードしてくれたけど、自分の投げたい球があった」と3回までに計13度もサインに首を振った。実戦の中で自分の考えを伝えたかった。
それでも4回以降は一転。「自分の投げたい球が絶対じゃない。任せなきゃいけない部分がある」と思い直した。7回までに首を振ったのはわずかに3度。4回には2死二、三塁のピンチを招いたが、今季から使い始めた“佑ちゃんボール”ことチェンジアップも使い無失点で切り抜け、杉山に自信を持たせた。
応武監督は「あまり(捕手)育成の責任を持たせても」と話すが、斎藤自身は意欲的だ。「育成役?もちろんあります。経験を伝えたり話したりすることで伝統が受け継がれる」。オープン戦では打たれるのを承知でサイン通り投げ、寮で行うミーティングでの反省材料にしたこともある。実績だけでなく精神的にもエースに成長した。
開幕戦4勝は戦後の早大では02年の和田以来、史上4人目で最多タイ。残り3季も開幕投手を務め、すべて勝利すれば、山中、江川(ともに法大)ら東京六大学史上最多の開幕戦7勝に肩を並べる。「勝率10割を目指します」。新女房役との感覚をすり合わせながら、勝ち星を積み重ねていく。
<東大 斎藤打てず「ウチの打者では打つのは難しい」>斎藤の前に歯が立たず3安打で零敗を喫した。昨秋2勝の左腕・鈴木は立ち上がりに甘い直球を狙われ3本の長短打などで3失点。左腕の振りを昨秋より高い位置にするフォームで臨んだが、7回を10安打6失点で「調子が良くなかったのに直球にこだわりすぎた」とうなだれた。これで対斎藤は通算5試合で35回連続無得点。中西監督は「ウチの打者では打つのは難しい」と厳しい表情だった。