【第81回選抜高校野球】3年ぶりの大舞台出場に早実ナインは喜びを隠せなかった。昨秋東京大会決勝で国士舘に1―3で惜敗していただけに「一度はあきらめていた。率直にうれしい」と和泉監督は“滑り込み出場”に胸をなで下ろした。

 慶応が昨秋明治神宮大会で優勝。関東地区に神宮枠がプラスされた。例年なら関東・東京で6の出場枠が7に広がったことで東京2位の早実に吉報が転がり込んできた。「1年の時の練習試合は負けた。その借りを返す意味も込めて絶対に勝ちたい」。中野主将は大舞台での慶応への“恩返し”に語気を強めた。

 エース斎藤(早大)を擁した06年以来の甲子園。柱は1年生右腕、小野田だ。最速140キロの直球で押す本格派は「どうしても斎藤さんを意識してしまうけど、追い付き超えられるよう優勝したい」と頂点を見据える。雑誌で見る斎藤の投球フォームを参考に軸足へのため方などを学んできた。昨秋には尊敬するその先輩と治療院で偶然初対面。「3割打者も7割失敗する。ピンチでも気楽に行けよ」と説かれた。

 小野田は中2夏に駒大苫小牧と早実の激闘をテレビ観戦。エンジのユニホームにあこがれて北海道・旭川から野球留学を決めた。同時に大学進学した姉と都内アパートで2人暮らしをしている。斎藤も高校時代、群馬から上京して兄と暮らしていたとあって「環境も斎藤さんに似ているとよく言われます」と頭をかいた。偉大な先輩を目標に、伝統ある背番号1を受け継いだ男は夢の舞台に立つ。