米ニューヨークのマンハッタン西側を流れるハドソン川に15日午後3時半(日本時間16日午前5時半)すぎ、USエアウェイズの国内線旅客機が不時着した。米沿岸警備隊の監視船などが急行、救出作業を行い、同社は午後5時ごろ、幼児を含む乗客150人、乗員5人の計155人が全員救出されたと発表した。在ニューヨーク日本総領事館によると、事故機には少なくとも2人の日本人が乗っていたが、無事が確認された。
鳥が2基のエンジン双方に飛び込んだため失速したのが原因とみられている。米国土安全保障省の報道官はテロとの関連性を否定した。
現場はマンハッタン中心部タイムズスクエアからわずか2キロ前後で、河岸に立ち並ぶ高層住宅などからは数百メートル。一歩間違えれば大惨事となりかねなかった。AP通信によると、脚を骨折した人はいたが、手当てを受けた78人も大半が軽傷。厳冬の川からの救出劇は、奇跡的といえる結果となった。
米連邦航空局(FAA)などによると、不時着したのはUSエアウェイズの1549便、エアバスA320。ニューヨークのラガーディア空港から北西に離陸直後、南方に方向転換しようとした時点でガンの一種とみられる大型の鳥の群れに突っ込んだ。このため、機体に鳥が当たる「バードストライク」が起きたとみられる。同空港に戻ろうとしたが、飛行を続けられず、滑空しながら高度を下げ、緊急着水した。乗客の1人は左のエンジンが火を噴いたと証言した。事故機はノースカロライナ州のシャーロット空港に向かっていた。
不時着直後、機体は午後4時すぎごろまで上半分を水面に出して浮かんでいたため、数人が水中から救助されただけで、多くの乗客は翼を伝い歩いたり、救命ボートに乗ったりして沿岸警備隊の船や近くを航行していた通勤フェリー数隻に次々と収容された。
機体は同日夕、半ば引き揚げられながらマンハッタン南部の川岸に移動させられた。16日朝からFAAによる本格的な原因調査が始まる。
現場のハドソン川は、ニューヨーク市とニュージャージー州の間を流れている。ニューヨークは15日午後、時折雪が舞い、氷点下8度の寒気に覆われていた。