第2回は、10月の秋季全道大会で5年ぶり2度目の優勝を飾り、来春のセンバツ出場を確実にしている鵡川高の佐藤茂富監督(68)。11月の明治神宮大会でも4強。過去、鵡川をセンバツ2回、前任の砂川北も春・夏合計3回の甲子園に導いた名伯楽が、来春の6回目の“夢舞台”に向け、自ら確立した「武士の野球」、「三気(元気、本気、一気)野球」への思いを熱く語った。
―まず4強入りした今秋の明治神宮大会を振り返って下さい。
佐藤監督「毎朝毎晩の飯の量は断トツだったな。ホテルの関係者もビックリしていた。この大会唯一の本塁打がウチなのも当然かも」
―変化球にもうまく対応していた。
「練習から自分たちで工夫してやっていたようだ」
―一発打っても全力疾走。
「元気、本気、一気の『三気野球』がモットー。グラウンドでは3歩以上は全力疾走。そのことをしっかり守っている。今のメンバーは性格がいい。素直さがある。そのあたりに強さの要因があるのかも」
―ガッツポーズも見ませんね。
「打たれた投手、負けて泣いている相手のことを考えろと。日本人はあまりに幼稚になりすぎた」
―米国メジャー野球も見るとか。
「オバマ(大統領)には1回会ってもいいかもしれない(笑い)」
―現地に行かれたことも?
「キャンプばかりアリゾナで3~4回、フロリダで1回見た。向こうの練習は合理的。移動もホイッスルひとつで整然としている。朝6時から始めたり、練習量も多い。ユニホームの着こなしもきれいだった」
―日本では服装の乱れも目立ちますか。
「ほとんどの選手が帽子のつばを折っている。指導者のひげも、感心しない」
―バント嫌いもメジャーの影響ですか。
「自分的に『相手にひとつアウトをやる』のが年々嫌になってきた。今のチームは1、2、6番が足が速い。3、4、5番には長打がある。理想的な攻撃型チーム。サインを管理してはダメ」
―かつて部長を務められた旭川南高校の小池監督は『今年の鵡川はセンバツ優勝も狙える』と言っているが。
「そこまでのチームとは思っていない。とにかく私は『一戦必勝主義』だから」
―来春への課題は。
「選手たちが有頂天になって、その気になっている。親も甘い。締め直さなきゃならん」
―冬場の練習は。
「1日1000スイングをノルマにしているが、今の子は500か600ぐらいしかできん」
―目指す“佐藤野球”とは。
「相手の弱点ばかりをつくのが野球じゃない。どんなに力の差があっても20点、30点は取らない。そういうチーム相手にはバントもして、5回10―0で終わるのが理想。それが武士の野球だ」
◆佐藤 茂富(さとう・しげとみ)1940年7月16日、三笠市生まれ。68歳。岩見沢東高校在学中は投手。北海道学芸大札幌校(現・道教育大札幌)を卒業後、栗山高校の監督として指導者に。71年から砂川北高校監督に。春1度、夏2度の甲子園出場を果たした。97年から鵡川高校赴任。現在、むかわ町教育委員会勤務。家族は妻。
◆鵡川高校 1952年創立の道立校。全校生徒は172人。野球部は88年創部で部員43人。甲子園出場はセンバツ2回(02年に21世紀枠、04年は一般枠)出場。2大会ともに1勝ずつ挙げている。野球部以外にも吹奏楽部が活躍。主なOBに池田剛基(元日本ハム、02年甲子園出場)。学校所在地は、勇払郡むかわ町福住町4丁目2の1。