第39回明治神宮野球大会第2日(16日、神宮球場)初出場の光星学院(青森)が慶応(神奈川)に2-4で敗れた。先発した下沖勇樹投手(17)=2年=は、5安打4失点完投で自己最速を1キロ更新する146キロの快速球をマーク。高校球児として初となる全国レベルの大会で初戦敗退したが、東北NO.1右腕の存在を誇示した。前日(15日)に初戦を突破した東北福祉大(宮城)は、17日第4試合(4時予定)の準々決勝で創価大(東京)と対戦する。
初めて立った神宮のマウンドで、下沖の右腕がしなった。立ち上がりの一回無死で、1番の佐藤旭遊撃手(1年)にカウント1-1から投じた3球目。二ゴロに打ち取った直球は、電光掲示板で146キロを表示した。
「スピードは意識していませんが、ベンチに戻ってきてチームメートに言われて気づきました。うれしかったです」
自己最速を1キロ更新する146キロは、初戦敗退した悔しさの中で、今後の励みになる大きな収穫だった。三回一死の場面でも再びマーク。東北NO.1右腕の面目躍如だ。
だが、チームは2-4で涙を飲んだ。下沖は二回一死三塁で、6番の荒川健生外野手(2年)に先制の投前適時打を浴びた。二、三回に2点ずつ奪われ、立ち直った四回から八回まで無安打に抑えたが、5安打4失点完投の末に敗れ去った。
今秋の東北大会で優勝し、高校で初めて臨んだ全国レベルの大会は「すごいなぁと思いました。東北大会では自信のあるボールで打ち取れましたが、きょうは当てられてしまいました」(下沖)と東北地方との違いを痛感。持ち味の直球とフォークを弾き返され、痛恨の適時打を食らった。
課題は山積。下沖は冬場の練習で「自分自身の技術を磨いて、今度は絶対に打たれない気持ちで投げたいです」と一層のレベルアップを図る。
バックネット裏で視察した広島の近藤芳久東北・北海道担当スカウトは「ピッチングがうまいです。打者のタイミングをはずすところで、緩急をうまく使っています」と球速だけでなく、投球術も高く評価した。
光星学院にとって3年ぶり4度目となる来春のセンバツ甲子園出場は、ほぼ確実視されている。福岡中(岩手)3年時、全国中学校軟式野球大会で優勝投手になった下沖は、来年3月に初めて立つ甲子園のマウンドで、もうひとまわり成長した雄姿を披露する。
下沖勇樹(しもおき・ゆうき)
1991(平成3)年9月8日、岩手県二戸市生まれの17歳。投手。中央小4年の時、堀野ボーイズで野球を始める。当初は三塁手。福岡中1年から投手となり、3年時に全国中学軟式野球大会優勝。光星学院では1年春から公式戦ベンチ入り。1年秋からエース。2年夏の青森大会準優勝、今秋の青森大会と東北大会優勝。1メートル78、75キロ。右投げ右打ち。家族は両親と兄、妹。
★守備が乱れて…
光星学院は4失策と守備で乱れた。榎本直樹遊撃手(2年)、小野寺翼一塁手(2年)が2失策ずつ。打線は散発3安打で慶応・明大貴投手(1年)を攻略しきれなかった。秋季東北大会優勝のキーマンとなった小野寺は「自分たちは守り抜いて攻めるチームなんですが…。負けて得たことをセンバツ(甲子園)に生かしたいです」と雪辱を誓った。