◆高校野球秋季全道大会第1日 ▽1回戦 函館大有斗7―0岩見沢農=7回コールド=(30日・札幌円山球場) センバツ甲子園(09年3月21日開幕)出場をかけ熱戦が開幕。先発全員16安打の函館大有斗が7―0で岩見沢農を7回コールド勝ちした。エース右腕・工藤翔太(2年)も新球フォークを駆使し7回3安打無失点。投打のかみ合った古豪が1996年以来12年ぶりの頂点へ好発進した。

 迷いはなかった。2回2死二、三塁のピンチ。8番・羽広を2ストライクに追い込むと覚えたてのフォークを選択した。工藤は白球を指にはさみ、思いっきり右腕を振り抜いた。ベルト付近から鋭く沈むボールに右打者はたまらず体勢を崩す。打球は力なく遊撃手の前に転がった。「久々の円山は気持ち良かった。自分が輝きました」7回3安打無失点で勝利に導き自画自賛。打線も先発全員の毎回16安打で強力援護し7回コールド発進だ。

今夏の南大会初戦で北照を相手に2失点完投も完封負け。身長169センチのエースは夏後、さらなる進化を追求した。片口伸之監督(28)の勧めでフォークを体得。従来のカーブ、スライダーに新球が加わった。「工藤は伸びのあるストレートが持ち味だが身長がない分、ボールに角度がない。落ちる球は真っすぐを生かすためにいい。一緒に練習してきた成果」。投手として12年前に秋の全道を制し、センバツに出場した指揮官の言葉が胸に響いた。主将の野村直毅捕手(2年)も「フォークのキレは抜群。追い込んだときに使えます」と右腕の探求心に目を細めた。

 初戦終了約17時間後に2回戦が待つハード日程だが、「あいつ以外にピッチャーはいません」と片口監督はエースにすべてを託す。「函館で育って、中学に入学したころから有斗に行こうと決めていた。絶対にセンバツに行きたい」と工藤。函大有斗は一歩ずつ、そして力強く古豪復活の階段をのぼり始めた。