<秋季高校野球・全道地区予選:旭川南8-3旭川大高>◇15日◇旭川スタルヒンほか

 旭川南が鮮やかな逆転劇で旭川大高を破り、2年ぶり7度目の代表を勝ち取った。3点を追う5回裏に打者10人を送る猛攻で5点。一気に試合をひっくり返すと、6回裏にもダメ押しの3点を加え8-3で難敵を倒した。エース長谷川健太らスタメン7人が1年生という若い軍団が、30日開幕の全道大会(札幌円山ほか)で2年ぶりの優勝に挑む。小樽、釧根、十勝、名寄地区でも代表が決まり、全10地区の出場校が出そろった。

 1年生たちがミラクル勝利を呼び込んだ。旭川南ナインはその瞬間、マウンドに集まり「NO・1ポーズ」で喜びを誇示した。2年前、秋季全道優勝した時をほうふつさせるシーン。違うのは、グラウンドに立つ9人のうち7人が1年生だということ。「勝っちゃった…。超大穴ですね」。小池啓之監督(56)も仰天の代表決定戦となった。

 前日14日、留萌との3回戦で延長14回、177球を投げ抜いた長谷川が力投した。2回に4安打で3点を失った時は「コールド負けがちらついた」(小池監督)。だがその後、指揮官も想像できなかった粘りを、1年生エースが発揮する。外角へのスタイダーと内角直球を組み合わせ、2回以外を無安打に抑えた。

 2年生15人に対し1年生は28人。昨春、エース浅沼寿紀(現日本ハム)を擁しセンバツ初出場を果たしたことで、旭川周辺の中学生に大きくアピールした。長谷川も「センバツを見て、浅沼さんのようになりたいと思った」という。力で2年生を上回る下級生が、チームの中心になっている。

 そんな1年生の力を、2年生は潔く認め、伸び伸びとプレーできる環境を整えた。水元源主将(2年)は「打撃も守備も取り柄のないチームですが、若いので乗ったら一気に点が取れる。1年生は乗せていけばどんどん力を出してくれる」。遠征などでバス移動する際も、他校とは違い、1年生を奥に座らせ2年生が前にいる。

 最上級生も協力した。旭川大高の左腕エース柿田竜吾(2年)対策に、この日朝、左投げの佐藤雄亮前主将(3年)が打撃投手を務めた。「捕手が構えるより先に投げることもある」という柿田と同様、超速いテンポでの投球。勝ち越し打を放った篠木亮帆二塁手(1年)は「イメージ通りでした」と先輩の協力に感謝しきりだ。

 2年前の浅沼のような絶対的な存在はいないが、チームは成長一途。旭川の公立NO・1にのし上がった旭川南は、全道でも台風の目になりそうだ。

 [2008年9月16日11時27分 紙面から]