<高校野球・秋季静岡県東部地区予選:御殿場西2-1吉原>◇14日◇裾野球場ほか
静岡県東部で敗者復活、決勝、3位決定戦が行われ、県大会に出場する25校が出そろった。敗者復活戦を勝ち上がった御殿場西、沼津東、三島、日大三島が最後の県大会切符を獲得した。御殿場西は延長10回の末、2-1のサヨナラで吉原を下した。エース鈴木涼介(2年)が、16奪三振の快投を見せた。沼津東は代打大胡田利希(おおごた・りき)内野手(2年)の同点二塁打などで8回裏に富士宮西を逆転し、2-1で勝利した。県大会は20日に開幕する。
どうしても県大会に進み、恩返しを果たしたい。御殿場西ナインの願いが通じた。1-1で迎えた10回裏1死一、二塁。3番中里優一右翼手(2年)が、前の2打席で凡退した外角直球を狙い打ち。初球を左翼線へはじき返すと、二塁走者が生還した。サヨナラ打に「何としても勝ちたかった。3週間(練習で)やってきた成果が、試合で出せました」と胸を張った。
試合後、斉藤光高監督(37)は涙を流した。「ずっと応援してもらっていたので、何とか県大会(出場)だけは、報告したかった。これで胸を張ってお線香を上げられます」。東部大会2回戦の翌日の8月18日、高校創立者で、92年のセンバツ出場時に校長だった勝間田芳麿学園長(享年86)が死去した。斉藤監督にとっては、監督就任を後押ししてくれた恩人。「どんな結果でも励ましてくれた。秋は学園長のために勝ちたかった」と声を震わせた。
ユニホーム姿で通夜、告別式に参列したナインも、燃えていた。先発の鈴木は「(勝間田氏が)学校をつくってくれなかったら、野球部もない。感謝してプレーしました」。10回完投で8安打1失点と踏ん張った。伸びのある直球とスライダーで、毎回の16三振を積み上げた。5回表には2死満塁、カウント2-3というピンチを迎えたが「打てるものなら打ってみろ」と投じた高め直球で、空振り三振を奪った。これまでの最速は134キロだが、気迫で打者にボール球を振らせた。
直球が高めに浮いた1、5回の攻撃時には「長くボールを持つため」ブルペンでソフトボールを投げた。リリースポイントを打者寄りに修正しながら、最後まで投げ抜いた。これで2年ぶり19度目の県大会出場権獲得。「県では優勝したい」。主将も務めるエースは、今後の快投を誓っていた。
[2008年9月15日12時17分 紙面から]