秋季高校野球・福島大会(14日、郡山市開成山球場ほか)日大東北が八回コールド8-1で喜多方工を下して初戦を突破し、“出直しの1勝”を挙げた。

 今夏はシード校の小高工と対戦し、17年ぶりの初戦敗退。昨年9月に就任した増田克史監督(54)は、新チームに守りの野球を徹底させて再スタートをきった。15日は、福島大会2回戦8試合と岩手大会準々決勝4試合。ベスト8、ベスト4がそれぞれ出そろう。

新チームのカラーを象徴するノーエラー。日大東北が13安打8得点でコールド発進した。

 「大会というのを意識をせず、練習試合の延長という考えでリラックスしようと思ったのに。逆に緊張してしまいましたかね」

 増田監督は初戦突破に胸をなでろした。先発した生田目(なまため)翔投手(2年)が、1メートル85の長身から投げおろすピッチングで3回を4安打1失点。2番手の小水崇正投手(2年)は、1メートル84の長身を折り曲げての下手投げで5回を4安打無失点に抑えた。

 絶対に忘れない今夏の1敗。昨年、一昨年と夏の福島大会2年連続準優勝の強豪校が、小高工に足元をすくわれて17年ぶりに初戦敗退した。昨年9月に就任したばかりの増田監督は、厳し過ぎる現実に直面した。

 再建の鍵は守備力の向上。新チームの選手たちは、初心者へ転がすような簡単なゴロの捕球からやり直し、一から技術面の基本を再徹底した。同時に、監督と選手で野球部の決め事を作った。

 『野球をやらせてもらっている感謝の気持ちを忘れない』『グラウンド内では歩かない』『声を腹から出す』など心技体にわたる数項目。すべて個条書きにした紙をグラウンドや室内練習場などに張りつけ、練習開始前に部員全員で声に出して読み上げている。

 福島の高校球界は、今夏に県勢初の4季連続甲子園出場を果たした聖光学院の黄金時代。日大東北は2003(平成15)年夏以降、久しく甲子園から遠ざかっている。

 部員からの選出で新キャプテンとなった高田慎太郎主将(2年)は「課題にしている低い打球を打てず、力のないフライばかり上げていました」と初戦突破に満足していない。就任2年目の増田監督は野球部の寮で選手と寝食を共にしながら、来春のセンバツ甲子園出場につながる今秋の東北大会出場を目指す。

増田 克史(ますだ・かつし)
 1954(昭和29)年6月14日、茨城県大洗町生まれの54歳。選手時代は遊撃手として土浦日大、日大、社会人野球の熊谷組でプレー。84(同59)年に福井の監督に就任し、翌85(同60)年夏の甲子園に出場。昨年9月から日大東北の監督に就任。家族は夫人と3男に孫4人。