監督として歴代2位の甲子園通算56勝を誇る智弁和歌山(和歌山)の高嶋仁監督(62)が部内暴力を起こしていたことが10日、明らかになった。この日、和歌山県高野連を通じて報告を受けた日本高野連が発表した。

 正式な処分は10月15日に予定される日本高野連の審議委員会を経て、上申を受けた日本学生野球協会審査室で下されるが、西岡宏堂審議委員長(64)は「1か月以上の有期(謹慎)となるケース」と明言。同校の秋季大会出場には差し支えがないものの、仮にセンバツ出場が決まった場合、謹慎期間が終了しても、センバツの選考基準により同監督は指揮できない。あと2勝と迫っていた甲子園通算最多勝利記録は、来夏以降に持ち越しとなった。

 日本高野連などによると、同監督は7日に和歌山市内の同校グラウンドで行われた練習試合中、ベンチ内で部員2人を数回足で蹴った。部員にけがはなかったが、8日に同校に匿名の電話があり判明。学校として当面の間、同監督を謹慎させることを決め、9日に和歌山県高野連に届け出た。高嶋監督は「指導者としてやってはいけないことをしてしまった」と話しており、この日から自宅で謹慎している。

 後任は2001年からコーチを務める元阪急投手の鈴木幸雄氏(76)。新体制での初公式戦は28日の大分国体の聖光学院(福島)戦。10月2日に初戦が予定されている秋季和歌山大会2次予選も鈴木新監督が指揮する。