金メダリストに学べ-。今夏甲子園に出場した盛岡大付(岩手)の関口清治新監督(31)が、北京五輪ソフトボールの金メダル投手・上野由岐子(26=ルネサス高崎)を例に挙げ、選手の士気を高めている。同監督は前監督の沢田真一部長(43)からバトンを受け、20日に母校の指揮官に正式就任した。新チームは甲子園後の11日からスタート。「心の野球」を掲げ、倍増したというミーティングで他校との遅れを取り戻すつもりだ。
20日の正式就任後は長びく雨に悩まされたが、関口監督はその分、ミーティングに時間をかけた。題材としたのが、北京五輪ソフトボールの決勝トーナメントで、3戦413球を1人で投げた上野のことだ。「記事を読んだんです。朝4時に起きてランニング。夜もゴムチューブを使い肩を鍛えるとか、腹筋しながら本を読むとか…」。競技に接する姿に感銘し、それを選手に説いた。
甲子園出場もあり新チームは11日から始動、と練習は十分ではない。だが新主将の熊谷童夢外野手(2年)は「24時間どれだけ野球にかけるか。他チームより(スタートは)遅れたが、倍増したミーティングで選手の意識は高まった」と上野の姿勢を吸収した。
私立校だが、環境は決して恵まれてはいない。照明施設も室内もなく、雨となれば岩手県営野球場の室内を借りる。公共施設のため毎日は使えない。全体練習は限られるが、上野のような意識次第で、そんなハンディも克服できる。
チームは「甲子園で勝つ」を目標に掲げた。過去、春夏7度の出場も未勝利。関口監督は「勝ちたいのなら、どれだけ1日を野球に費やすか。『心の野球』がテーマです」。30日の地区予選、盛岡農戦が新チーム公式戦初戦。全国勝利という「メダル」への戦いが始まる。
[2008年8月28日12時51分 紙面から]