【横浜15-1聖光学園】第90回全国高校野球選手権大会の準々決勝2試合が行われた。第2試合は横浜が15―1で聖光学園に大勝。4番・筒香(つつごう)嘉智一塁手(2年)が2打席連続本塁打を含む5打数3安打と爆発し、1試合8打点と通算14打点の大会タイ記録を樹立した。
右翼から左翼へ吹き抜ける強烈な浜風も関係ない。これぞ“ハマの4番”という筒香の打球が右翼席に2度突き刺さった。まずは2点リードの5回2死二塁。内角スライダーをポール際に運ぶと、6回は2死満塁の絶好機で回ってきた。今度は内角直球をジャストミート。2打席連発となるグランドスラムで観衆の度肝を抜いた。
まだ2年生だが、公式戦通算33本目。自身初の満塁弾にも「センター返しを心掛けた結果」とあくまでも謙虚だ。この回終了後に突然の大雨で42分間の中断。この時点では試合は成立しておらず、ベンチ裏では「ノーゲームになったら本塁打がなくなっちゃうかな」と不安に駆られた。それでも高野連関係者の「必ずやるから」の言葉を聞き「安心した」という。
再開後の7回にも左中間を破る2点二塁打。1試合8打点は個人最多タイ記録で、大会通算でも85年に宇部商の藤井進がマークした14打点の最多記録に並び「きょうは95点の出来」とポーカーフェースを崩した。
1年夏から4番に座った逸材だが、南神奈川大会は極度の不振。しかし、7番に下がった初戦の浦和学院戦で本塁打を含む4打点を挙げると、小倉部長が「これだけ打球を飛ばすヤツは見たことない」と称賛する長打力が復活し、4番の座を取り戻した。3回戦の仙台育英戦で右手甲を打撲。痛め止めをのんでの強行出場だったが、きっちり4番の役目を果たした。
松坂(現レッドソックス)らを擁した98年以来の頂点まであと2勝。準決勝の相手は06年夏に初戦で敗れた大阪桐蔭だ。「相手は強豪校。みんなで力を合わせて勝ちたい」と筒香。この男がいる限り、横浜はまだ負けない。
≪横浜は夏通算30勝、神奈川県勢通算170勝≫横浜が聖光学院を下し、神奈川県勢通算170勝目、同校としては夏通算30勝目を挙げた。渡辺監督は甲子園通算勝利数を47とし、帝京・前田三夫監督を抜いて単独3位に浮上。夏は26勝で、沖縄水産・栽弘義監督を抜いて単独6位となった。
◆筒香アラカルト
☆プロフィル 1991年(平3)11月26日、和歌山県橋本市生まれの16歳。小2から和歌山ニューメッツで野球を始め、全国大会4強。中学では堺ビッグボーイズで全国大会8強。横浜では入学直後の春季神奈川県大会でいきなり4番。家族は両親と兄、双子の姉。1メートル83、85キロ。右投げ左打ち。
☆趣味 数少ない休日は横浜の街に繰り出して洋服を買う。好きな歌手は浜崎あゆみ。好きな映画は「となりのトトロ」。
☆努力の人 大阪入り後、大会前唯一のオフだった日には1人で尼崎市内のバッティングセンターで打ち込み。普段の練習でも必ず最後まで居残り練習を続ける。
☆兄 尽誠学園で甲子園にも出場した兄・裕さん(26)が、筒香の横浜入学と同時に横浜市内へ転居。仕事の合間に練習見学に来るなどサポートしている。
[ 2008年08月17日 ]