<高校野球福岡大会>◇6日◇北九州市民

 九州国際大付が5回コールドで青豊を破り、26年ぶりの甲子園へ好発進した。10得点を挙げ、背番号18の末松浩由と、同11の阿部雄太(ともに3年)が、ノーヒットノーランリレー。03年夏に甲子園準優勝の東北を率いた若生正広監督(57)は「(決勝まで)8試合戦うつもり」と、3年間育てたチームを大舞台に導く自信を見せた。同じ福岡で自由ケ丘もエース福地元春(3年)の11奪三振完投で好スタート。準々決勝の沖縄は、エース東浜巨(3年)が今夏初失点も打線の援護で沖縄尚学が快勝、2年連続Vを狙う興南とともに準決勝に進んだ。熊本でも春夏連続の甲子園に向け、城北がコールド発進した。

 エースを温存し、1年生4番が無安打でも、強い。3回に打者一巡4安打7点のビッグイニングをつくったのは、2年生の6番河野元貴だった。4―0で迎えた3回裏1死満塁。右中間を深々と破る三塁打で走者一掃、中継の三塁悪送球で生還した。投手としてシニアリーグ全国大会を経験したが、若生監督に肩の強さを見込まれ捕手に転向した河野は、ノーヒットノーランリレーも演出した。「投手の調子が良かったので、キャッチャーとしての仕事は少なかった。良い場面で打って、投手を楽にできた」と笑顔を見せた。

 県内の強豪5、6校から勧誘を受けていた河野は、若生監督に「甲子園に行きたいなら、ほかのチームでも良いが、甲子園で勝ちたいなら、うちに来てくれ」と言われて進路を決めた。1番荒木勇輔(3年)は05年9月の監督就任を知り「若生監督の指導を受けたくて」京都・桃山中から入学。高校通算39本塁打で春まで4番だったが、監督に「肩の力を抜いて打てるように」と打順を変えられた。この日は1回裏先頭の中越え三塁打など2打数2安打(1四球)で2度本塁を踏み、チームをけん引。東北高校監督時代、ダルビッシュ(現日本ハム)を擁して甲子園準優勝した若生采配は健在だ。「だいぶ、僕の野球に慣れてきた」と、勧誘から手がけた選手が全学年そろい、手応えを感じている。

 プロ注目の145キロ腕、二保旭(にほ・あきら=3年)を温存した理由を問われると、若生監督は「8試合するつもりだから、できるだけ残しておきたいんだ」と答えた。決勝まで最大8試合の福岡制覇だけでなく、82年夏以来の甲子園で学校初勝利を挙げる目標を秘めた表情は、大勝にも淡々としていた。

[2008年7月 7日 09:38 日刊スポーツ 紙面から]