第90回全国高校野球選手権記念佐賀大会は5日、佐賀市のみどりの森県営球場で開幕した。過去3年はいずれも初日が雨で、グラウンドで開会式が開かれるのは4年ぶり。5日は1回戦2試合が行われ、昨年準優勝の鹿島は太良を6-3で降した。佐賀東は三養基を約3時間の熱戦の末、4-2で破り、2回戦に進出した。6日はともに強豪校の敬徳と龍谷が激突する。
開会式では、昨年優勝の佐賀北、田中亮主将が優勝旗を返還。県高野連の梶原彰夫会長が「昨夏の北高の全国制覇から1年。『北高に続け』『練習は不可能を可能にする』と、練習を積まれたことと思います。球児の皆さん、存分に力を発揮して下さい」と激励した。
選手宣誓では、高志館の本庄康浩主将が「これまで支えてくれた方に感謝し、ゲームセットの瞬間まで、あきらめず、全力でプレーし、『努力は奇跡を起こす』、これを実証することを誓います」と力強く述べた。
◇太良、追い上げ及ばず
▽1回戦(県営球場)
鹿島 400110000=6
太良 000000210=3
(鹿)島内、古川、野中、貞包、副島-片渕
(太)陣竹-有森
▽三塁打 馬戸崎(鹿)
鹿島は一回、相手守備陣の野選で先制。馬戸崎選手も2点三塁打を放った。太良は七、八回、満塁の好機を作り追い上げたが、及ばなかった。
◇三養基、後一本出ず
佐賀東 300010000=4
三養基 100001000=2
(佐)鷲頭、日高、香月-光吉
(三)鵜木、永松-久保田
▽三塁打 鷲頭(佐)
▽二塁打 鵜木(三)
佐賀東は一回、1死一、二塁の場面から連続で2点適時打、中前適時打を放って3点を先取。三養基は九回、1死満塁の好機で後一本が出なかった。
◇「一生の思い出」 女子部員が始球式
○…第1試合の始球式に臨んだのは、武雄の山崎安奈選手(3年)。県内で唯一の女子の野球部員で中学時代はソフトボール部。武雄に進学後、ソフトボール部がなく、野球部を選んだ。
男子部員と同じメニューをこなして、初めて立ったみどりの森県営球場のマウンド。150センチの小さな体から、ストライクを取るつもりで思いっきり投げた。外れたが、終わった後、涙が止まらなかった。「グラウンドに立てたことがうれしかった。一生の思い出です」
走り込みで一人だけついていけず苦しいこともあったが、周りの部員が支えてくれた。8日のチームの初戦はスタンドから人一倍大きな声で応援するつもりだ。
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■一球無二
◇亡き父に贈る選手宣誓
本庄康浩主将(17)=高志館3年
選手宣誓の大役を任された。野球ができる喜び、支えてくれた仲間、先生への感謝の念を述べた後、こう結んだ。「おじいちゃん! おばあちゃん! お母さん! そして……天国のお父さん! ありがとう!」。スタンドから大きな温かい拍手がわき起こった。
小学4年で野球を始めた。元高校球児だった父の勧めからだった。キャッチボールをしたり、打撃のアドバイスをよく受けた。風邪を引いても練習は絶対に休まなかった高校時代の話も聞いた。「人の倍練習しろ」とよく言われた。
亡くなったのは中学3年の時。高校の練習は厳しく、やめたいと思うこともあったが、夏の県大会でベスト8に入った父を目標に、手を抜かず、泥臭く練習に打ち込んできた。
そして迎えた集大成の大会。生前あまり伝えられなかった、野球を教えてくれた父への感謝の気持ちを最後の言葉に込めた。「父の仏壇にメダルを飾りたい」。8日の初戦に臨む。
毎日新聞 2008年7月6日(6日15時1分)