◇効果に手応え
 サングラスのような眼鏡をかけ、パソコンの画面を見続ける。はた目には平面の中を円が動いているだけだが、眼鏡をかけた選手にはボールが立体的に飛び出すように見える。ボールには視力検査のようにCの字が描かれ、○が切れている方向に懸命にキーボードやコントローラーの棒を動かす。

 大宮では3月から、リース契約で立体映像技術を使ったトレーニングを取り入れている。飛んでくるトランプの数字を見極めたり、球の色の違いを瞬時に判断したりと練習は7項目あり、すべてやっても7分で終わる。藁谷(わらや)公次監督は「これを繰り返せば動体視力が上がり、打席でボールに目がついていく。プレーの土台となる目を鍛えることで、技術向上につながる」と力説する。

 部活後のほか、昼休みにも部員たちはパソコンの前に集まり、ゲーム感覚で練習を楽しむ。3年の瀬戸那由太選手(17)は「強いゴロでも目で追って捕れるようになり、投手の球がよく見えるようになった」と効果を実感する。「普通の練習では強豪校に勝てない。少しでも違ったことをしないと」と話す。

 筋肉を鍛えるため、民間のジムでも見られないような最新機器を導入する高校もある。大宮東では、普通科のほか体育科もありトレーニング施設が充実。投手の練習に、股(こ)関節を重点的に鍛える器具や、心肺機能を高めるため競輪選手が使うような自転車こぎを使用する。吉本博監督は「球を投げる瞬発力を鍛えるのに適している。従来のダッシュ運動より負荷が均等で効果的だ」と太鼓判を押す。
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 夏の甲子園出場を目指し、県大会が9日開幕する。昔ながらの練習法に加え、科学的なトレーニングを取り入れる学校も少なくない。各校を見て回った。

毎日新聞 2008年7月5日