◇私学2強、今年も充実 追う古川学園、仙台商、東陵--地震被災地からも元気に出場
 第90回全国高校野球選手権記念宮城大会(県高野連など主催)が5日開幕する。史上最多の82校81チームが参加、甲子園出場を目指し、暑い夏が始まる。

 今年のセンバツに出場し、リベンジに燃える東北と夏の甲子園3年連続出場を狙う仙台育英の2強に、春の県大会3位の古川学園と同4位の仙台商らが挑む争いになりそうだ。田尻さくらと田尻による県内初の連合チーム「田尻・さくら」と石巻好文館が初出場。岩手・宮城内陸地震で大きな被害が出た栗原市の一迫商、岩ケ崎、鶯沢工、築館、迫桜などの戦いぶりにも注目が集まる。

 開会式は午前9時45分からクリネックススタジアム宮城(Kスタ宮城)=仙台市宮城野区=で行われ、白石の松崎大地主将(3年)が選手宣誓する。大会は、仙台市民球場、愛島球場、石巻市民球場も合わせて計4球場で行われ、決勝は雨天などの順延がなければ、24日午後1時から、Kスタ宮城で行われる。

 ◇出場チーム戦力分析
 東北と仙台育英の私学2強は今年も戦力が充実している。

 東北は、今春のセンバツに出場したが初戦敗退。全国の舞台でのリベンジに燃えている。本格派左腕のエース萩野はチームの大黒柱。冬季のトレーニングとフォームの改善で更なる進化を遂げた。高い出塁率を誇る植田、高橋の上位陣、長距離砲の宮下を中心としたクリーンアップなど打線は粒ぞろい。捕手の関口をはじめセンターラインがしっかりしているのも強みだ。

 仙台育英は、ヤクルトの佐藤由規投手からエースナンバーを引き継いだ右腕・穂積がますます力を付けてきた。重い速球は威力十分で他校には脅威的。まだ1年生だが、多彩な球種を誇る左腕・木村からも目が離せない。走攻守三拍子そろった主将の橋本を中心に攻撃、守備ともそつがない。春季東北地区県大会で優勝した勢いに乗り、3年連続の夏の甲子園出場を目指す。

 古川学園は「しぶといつなぎの野球」が売り物。エース浅野は140キロの速球と気迫が武器。ほかにも吉田、下屋など投手陣は駒がそろっている。選手層の厚さが強みだ。

 昨夏の準優勝校・仙台商は、チームとしての組織力で勝利を目指す。センターラインは昨年からのメンバーで安定している。1番坂本をはじめ、足を使った攻撃が得意だ。

 聖和学園はバランスのとれたチーム。3番須藤、4番山口歩は長打力があり、得点圏打率も高い。主戦伊藤には安定感があるが、続く投手の出来が鍵を握りそうだ。

 東陵は、夏の大会を経験しているのが、俊足を誇る2年生川村のみで、試合経験の少なさが気がかりだが、左の大童、斎藤、右の本格派高山、技巧派名生ら投手陣は豊富だ。

 大会序盤の注目カードは、2回戦の大崎中央対利府(8日、石巻市民球場)。昨秋県大会で準優勝し、初の東北大会出場を果たした大崎中央と、県大会上位常連の利府がいきなりぶつかる。

 被災地から出場するチームも話題性だけではない。センバツ出場経験がある一迫商は、打線のつながりが良く、内外野の守備に穴はない。成長著しい今野の勝負強い打撃に注目。熊谷監督と熊谷主将は親子鷹での甲子園行き挑戦だ。

 鶯沢工は、マネジャーを除くと部員10人。うち6人が1年生だ。走攻守のバランスがとれた主将の鈴木、50メートルを6秒で走る俊足の千葉、投手の小野寺の3人の3年生がチームを引っ張る。

 「新顔」のうち、県内初の連合チームを組んだ田尻・さくらは、全員でつなげるバッティングを心がける。06年に共学化した石巻好文館は、5月中旬にチーム結成。どこまで他校に迫れるか部員のチャレンジ精神に期待したい。

毎日新聞 2008年7月5日(5日13時1分)