【常葉菊川11-9倉敷商】これが常葉菊川の底力だ。序盤で失った6点を一気に逆転。佐野監督も「アンビリーバブル」と興奮気味だった。

 0―6の5回に伊藤の3ランを含む7長短打などで7得点。同点で迎えた8回も相手のミスを逃さず、集中打で4点を奪い、勝利を決定づけた。

 5、8回以外は簡単に飛球を打ち上げてアウトを重ねる淡泊な攻撃に見えた。だが佐野監督は「初球からどんどん打つのはハイリスク、ハイリターン。淡泊という認識はない」ときっぱり。実際に大量得点を挙げた回は早いカウントから積極的に打つことが奏功している。8回無死二塁から初球を狙い打って勝ち越し二塁打とした上嶋は「初球からいくのが菊川の野球」と胸を張った。

 序盤に大量失点したのは理由がある。先発はエースの戸狩ではなく、静岡大会で登板経験がない萩原で、3回途中6失点で降板したのだ。佐野監督は「エースを温存できたことは大きい」と笑顔だったが、戸狩が痛めている左ひじの状態が深刻になっていた事情がある。

 戸狩は「ひじが痛くて投げるのは無理だった。もう球速は100キロも出ない。負けていたら最後の回だけは投げさせてもらえることになっていた」と窮状を明かした。積極果敢な攻撃という、“らしさ”を発揮しての8強入りの陰に、暗雲も漂っている。

[ 2008年08月13日 15:50 ]