【報徳学園4-2新潟県央工】報徳学園の4番井上が最後の最後で仕事をした。9回、2死三塁。高めに甘く入った4球目を振り抜くと、力強い打球は強い浜風にあらがうように右中間席へ飛び込んだ。ホームベース上で選手全員に迎えられた井上は「強く振ることだけを考えた」と値千金の一打を振り返った。

 苦しみ抜いた末の勝利だった。打線は5回途中まで新潟県央工の右腕石田の緩急をつけたうまい投球にノーヒット。井上も8回の第4打席まで無安打と沈黙していただけに「なんとしてもヒットを」と意を決して臨んだ9回の打席だった。

 東兵庫大会では本塁打0。「自分はただの4番目の打者。チームで勝てればいい」と言い切る。だが「天性的にはすごいものを持っている」と永田監督の信頼は厚い。

 その永田監督から試合前「とにかく1勝をプレゼントしてくれ」とハッパをかけられていたという。2002年の夏以来、春夏通じて5回続いていた甲子園初戦敗退のジンクスを大会通算1200号のメモリアル本塁打で打破した。「このまま勢いにのりたい」。殊勲の4番打者は力を込めた。

[ 2008年08月03日 20:27 ]