第90回全国高校野球選手権大会は2日、甲子園球場で開幕する。1日は開会式のリハーサルが行われ、記念大会で例年より6校多い55代表校が南から北の順に行進した。31日に2年生野球部員が強制わいせつ容疑で逮捕された群馬・桐生一については、日本高野連が全国理事会を開き、大会への出場を認めた。桐生一は大会6日目(7日)の第1試合で石川・金沢と対戦する。2日は1回戦3試合が行われる。
午後4時過ぎ。宿舎で出場OKの高野連の決定を聞いた桐生一ナインの中には涙ぐむ選手もいた。鈴木主将は「まず同じ野球部の後輩がこのような事件を起こして被害者に申し訳ない。出場できることに感謝して試合に臨んでいきたい」と福田監督に語ったという。
現役野球部員が強制わいせつで逮捕されるという事件。一夜明け、同校は青柳部長が責任をとって辞任。福田監督は辞任せず大会期間中は指揮を執ると発表した。これを受けた日本高野連は全国理事会で部員の個人的な非行の場合、連帯責任を問わない近年の方針に沿い、同校の出場を認めた。午後5時半。大阪市内の宿舎で会見に臨んだ福田監督は「今後このようなことのないよう防止に努めたい。高野連の判断に感謝したい」と神妙な面持ちで話した。
出場停止処分の可能性も残された中でベンチ入りの18選手はこの日午前9時からのリハーサルに参加した。他校の選手がハツラツとした行進を見せる中で、ショックの影響か元気なく歩く姿が目立った。予定されていた初戦で対戦する金沢・浅井監督との合同取材も出場が確定していなかったため中止。ナインもリハーサル後は足早にバスに乗り込むなどピリピリムードが漂っていた。
「たくさんの人に迷惑をかけた。謙虚な気持ちで積み重ねてきたものを出していきたい」と福田監督。注目の初戦は大会第6日の第1試合。すべての思いを背負ったナインが“出直しの白星”を目指す。