毎日新聞 - 2008/7/1 16:01

 ◇垂水はコールドゲーム発進
 第90回全国高校野球選手権鹿児島大会は30日、県立鴨池、鴨池市民両球場で1回戦7試合があった。
 れいめいは、吉村選手の左越え本塁打など序盤から得点を重ね、荒田投手が緩急をつけた投球で大口にコールド勝ち。加世田は二回2死後、5本の長短打を集め5点を奪い、その後も加点して末吉を七回コールドで退けた。南種子は同点の四回、上妻浩選手の適時二塁打で勝ち越し。串良商の終盤の追い上げをしのぎ、夏の大会で23年ぶりに勝利した。初回に5点と試合の主導権を握った垂水は、迫田投手が無四球の安定した投球で鹿児島中央打線を散発4安打に抑えコールド勝ち。
 鹿児島情報は1点を追う五回、打者一巡の猛攻で一挙5点を取り逆転。その後も森田選手の本塁打などで錦江湾を突き放した。岩川は同点の八回1死三塁で、宇都選手が右前へ決勝打。貴島選手の3点本塁打などで終盤追いついた加治木工を振り切った。鹿屋は同点の六回、木佐貫選手の中前2点適時打で勝ち越し。出水は三回に5点先取したが、その後笹貫投手の好投に涙をのんだ。
 ■青春譜
 ◇ケガおし気迫の直球--新地知啓投手=末吉(3年)
 8点を追う七回2死、ベンチを飛び出した背番号「1」は、本来立つべきマウンドの感触を確かめた。「エースの復活だ」。仲間の声が後押しする。高校生活の集大成は、気迫を込めて投じた3球の直球。遊ゴロに仕留め、最後の攻撃につなげた。
 「もう少し投げさせてあげたかった」。足を引きずりベンチに戻る息子を、母砂由利さん(45)は涙を浮かべて見つめた。
 試合5日前、農業実習で飼料を運んでいる途中、落ちていたカマが左かかとに刺さり、2針縫った。踏み出しの足で、力が最も入る場所だった。
 「無理はさせられない」。本田千浩監督は、苦渋の思いで登板を見送った。三塁コーチスボックスから仲間を鼓舞し続けた。しかし、大差をつけられ、コールド負けが目前に迫った六回。「一人でいいですから、投げさせて下さい」。たまらず監督に直訴した。
 試合後、「緒戦を勝って、次の試合で投げさせてやりたかった」と監督や仲間たち。思いはかなわなかった。だが、エースの目に涙はなかった。「この悔しさを次につなげたい」。大学に進学し、野球を続ける決意を新たにした。
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 ▽1回戦(県立鴨池・鴨池市民)
れいめい
  1420001=8
  0000000=0
大口
 (七回コールド)
 (れ)荒田、平石―有村、栫
 (大)中村勇―窪島
▽本塁打 吉村(れ)
▽二塁打 脇薗、吉村、蒲生原(れ)
加世田
  0503000=8
  0000000=0
末吉
 (七回コールド)
 (加)前田、樋野―竹崎
 (末)内山、丸山、新地―佐多
▽三塁打 中釜(加)
▽二塁打 芝原、栗原(加)
串良商
  000100211=5
  10032001×=7
南種子
 (串)大堀―神之園
 (南)鮫島―久保田
▽二塁打 原之園(串)上妻浩、古市拓、久保田(南)
鹿児島中央
  000000=0
  500014=10
垂水
 (六回コールド)
 (鹿)中野、小坂元―財津
 (垂)迫田―西尾
▽三塁打 吉田(垂)
錦江湾
  000102000=3
  00005200×=7
鹿児島情報
 (錦)山下得―坂元
 (鹿)佐々木―森田
▽本塁打 森田(鹿)
▽二塁打 森、坂元(錦)
加治木工
  100000040=5
  03000021×=6
岩川
 (加)満園、大久保―市来原
 (岩)宇都、尾園、宇都―狩川
▽本塁打 貴島(加)
▽二塁打 松原、本田(加)狩川(岩)
出水
  005000000=5
  00050210×=8
鹿屋
 (出)松下―山田
 (鹿)笹貫―岡元
▽二塁打 松田(出)岡元、高畠(鹿)