【東海大三8―0地球環境】第90回全国高校野球選手権記念大会(8月2日から17日間、甲子園)の地方大会は9日、福島、南埼玉、滋賀、和歌山大会が開幕。全国17地区で96試合が行われた。長野大会では東海大三が今秋ドラフト候補・甲斐拓哉投手(3年)の快投で地球環境に8―0と7回コールド勝ち。12年ぶりの甲子園へ好発進した。10日は青森、岩手、奈良大会が開幕。全国21地区で149試合が行われる。

 “信濃の怪腕”東海大三・甲斐の剛球が初戦からうなりを上げた。雨で1日順延となったが、緩めのマウンドも関係ない。初回、先頭打者を144キロ直球で見逃し三振に仕留めると、2番・纐纈には自己最速タイの147キロをマークした。

 「思ったところに制球できた。失投は3球ぐらい」と振り返ったように、6回まで3安打無失点。スライダーは2球、ツーシームはたった3球で、コンスタントに140キロ台を記録した直球でグイグイ押した。8奪三振はほとんどが高めの誘い球。「基本は直球ですから。(三振を)狙えるところは取りにいった。春と比べて同じ球速でも全然違う。三振が取れるようになった」と直球の伸びに自信を強めた。

 小学生時代は捕手。中学時代に投手に転向し、全国大会を制したが、まだまだ粗削り。制球が定まらず、3回戦で敗れた昨夏は、重心を一瞬落とす早大・斎藤佑樹(2年)のフォームをまねたこともあった。試行錯誤の日々は続くが、今年のドラフト候補の中では浦添商・伊波に並ぶ“今夏最速タイ”を記録した直球は魅力。この日はマリナーズを含む日米12球団23人のスカウトが集結し、広島の高山スカウトは「もちろんドラフト上位。ストレートの切れがあり、まだまだ伸びしろもある」と高評価を与えた。

 150キロ超えには「出したいとは思うけど、まずは勝つことが優先」。12年ぶり2度目の甲子園に向け、“甲斐腕”の勢いは止まりそうもない。

 ◆甲斐 拓哉(かい・たくや)1990年(平2)12月18日、長野県松本市生まれの17歳。岡田小3年から野球を始め捕手。女鳥羽中で松本南シニアに入り投手に。中3夏にリトルシニア九州連盟25周年全国選抜大会、ジャイアンツ杯で優勝。家族は母と祖母。1メートル83、83キロ。右投げ右打ち。